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記憶の濁流

「...」


 俺の中に愛川結美と言う魔王との戦いがいくつも駆け巡る。


 俺を手に入れる為にあの手この手を尽くし、100年以上生きた魔王の姿を...!!!


「うっ...! おええええぇぇ!!!」


 俺はその場で吐いてしまう。


「カズ君!!!」


 そう言いながら俺に触れようとしてくる彼女の腕を思わず振り払った。


「触るな!!!!」


「...えっ?」


 キョトンとしている彼女の表情に俺は悪魔の顔を思い出した。


「お前...か」


「えっ?」


「お前が俺たちを勇者パーティを崩壊させてバラバラにした張本人なんだろ!? 愛川結美!!!」


「どう言う事? ...まさか調停者!!! カズ君に過去の記憶を戻したの!?」


 そう叫ぶ愛川の声を聞いて笑い声を上げる調停者。


「ふふっ。なんで気がつかなかったのだろう? さっさとこうすればよかったんだわ。愛川結美。貴方が契約破棄したのがいけないんだよ? もう許してって言っても許さないから。大好きなカズ君に嫌われて残りの一生を前世のように味わいなさいな」


「...調停者!!!」


 愛川渾身の魔法を瞬間移動で躱してそのままいなくなる調停者。


 その場に立ち尽くしていた愛川は俺の方に近づいてくる。


「カズ君。あんな奴の言葉なんて聞かなくていい! 今頭の中にあるその記憶も全部偽物だから!!!」


 なんていう彼女の声も今の俺には響かない。


「嘘をついているのはお前だろ!? 愛川結美!!! 俺はもう...騙されない!!!」


 俺の一言を聞いた彼女は絶句していたような表情を浮かべている。


「そんな...! カズ君!!!」


「そんな風に呼ぶな! 気持ち悪い!!!」


『マイナススキル【愛川結美への魅了】【愛川結美への依存】【愛川結美への共依存】が記憶を取り戻した事により解除されました』




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