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炭鉱の最奥
〜炭鉱の最奥〜
重苦しい鉄の扉が見えてきた所で帰る事にした。
「よし、探索はここまでだな。これ以上先に進むとボスとの戦いになってダンジョンクリアしてしまうからな」
そう、このダンジョンに入る前の規約として絶対にボスを倒すなという物が記載されていた。
ボスを倒してしまうとゲートクリアとなってしまう確率が高く、この有意義なダンジョンから宝石を採掘できなくなる確率があるのだ。
「じゃあ帰るか」
と俺が声を発した時だった。
キィンという金属音がなぜか鉄の扉の奥側から聞こえてくる。
「...んっ?」
俺はメンバーを確認したが、やはり全員この場にいる。
という事は誰かがボスと戦っているという事だ。
(いや、あり得ないだろ。記載をちゃんと見てないのか!?)
俺が恐る恐る扉を開くと、そこには見慣れた奴がボスである大蜘蛛と戦っていたのだ!
「くそっ! きもい蜘蛛だな! 雑魚を何匹も出しやがって! だがこれで終わりだ! 【ライト】! からの【光速剣】!」
光属性を宿した剣撃を大蜘蛛に向けて斬りかかるそいつはまさしく伊藤だった!




