フィズ=ロメリア
俺が学校に到着すると、兵器の中で誰かと戦っている佐藤と蜜香が見えた。
「佐藤! 蜜香!」
俺の声に気がついたのか2人とも俺の方を見て叫んだ。
「高坂! ここは危ないぞ! 注意しろ!」
「そこのおじいさんがこの兵器を操っているんです! 私達以外の『ボードゲーマーズ』団員はこの人に全員やられました!」
蜜香の指差す方向には紳士的な白髪の爺さんが余裕のある表情で居座っている。
「...おや? もう1人増えましたか。貴方も若者にしてはそこのお2人と同じくやり手なようですね」
「...」
(強いなこの爺さん)
彼から感じられる魔力の圧はかなり濃い。
「一瞬で皆やられた! この兵器は俺たちを八つ裂きにする剣を生成するチート兵器だ!!!」
「ああ、俺もここに来るまでに散々やられたからな」
俺の言葉に爺さんは「ほう」と声を漏らす。
「私の兵装【モピペモフゥ】の嵐を掻い潜ってくるとは...。これだから戦いと言う物は最高ですな」
「...」
(【モピペモフゥ】って! この兵装の名前かよ! もうちょっとマシな名前あったんじゃないのか?)
俺はそう思いながらも彼の方に向き直る。
「もうし遅れました。私『ルクレヌ教団』が1人フィズ=ロメリア。以後お見知りおきを...」
礼儀正しく爺さんだが神父だったのか? 教団とか言っているしそうかもしれないな。
俺はそう思いながらも彼に視線を向けたまま佐藤達と合流しておくのだった。




