【支配の帝王】⑤
「【幻影翼+300】→【擬似幻影龍+300】→【幻影龍王+300】→【幻影龍帝+300】!!!」
私は新たに会得したスキルを扱い影の龍帝を召喚してその背中に乗り【大帝】の城から脱出していた。
(...本当にギリギリだった。初見殺し技である影から影に移動する魔法を使ってZERO距離からエクサフレアを叩き込むなんて言う無茶苦茶な方法を取らないときっと逃げられなかった)
私は全員を連れて飛行機よりも速い速度で逃げ出す。
その最中にも機雷魔法をそこら中に仕込み逃げるまでの時間を稼ぐ。
奴がすぐそこまで近づいてきているのは肌で感じているからこその行動だ。
実際に機雷はいくつも発動して奴の足を食い止めているのだが、明らかに奴の追いかけてくるスピードが速い!
(...速い! 確実に私たちの方に追いついてきている!)
あんな小さな体のどこにあれだけの力を秘めているのだろうか? それにまだ奴は本気ではないようだった。
あんな奴を倒せる者は恐らく同じく神の領域に達した者かそれと同規模の力を持つ者だけだろう。
(...今の私がフルに力を使えば)
いや...、それはやめておこう。
私のこの力は【調停者との約束】と言う謎のスキルで得られている力だ。
そんな力はいつなくなってもおかしくはない。
この力はカズ君の身を守る為に使おう。
そう決めた私は更にドラゴンのスピードを上げる!
そしてゲートが見えると同時に皆をゲートの中へと叩き込んだ。
そして私は一度振り向いて追いかけてくる一筋の光に向かって再び【エクサフレア+300】を放って時間を稼ぐのだった。




