深く考えるな
「おめでとうございます! たった2人でピンクゲートを攻略してしまうなんて凄すぎですよ!」
と後輩君が言ってくれる。
「まあそうだな」
「我ら『ボードゲーマーズ』のリーダーと副リーダーここにありと言った所ですね!」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
と部下達に褒め称えられるのは悪い気分ではないのだが、それにしてもあの液体人間が脳にチラつく。
(...奴はもう死んだんだ。今更死んだ奴を恐れてなんになる?)
俺はそう呟きながら部下達に笑顔を返す。
「ああ、俺は今日の探索で手に入れた情報を他のグループにも提供してくる」
「カズ君、私も手伝うよ」
「助かる」
俺はそう返すと結美と一緒に他のグループと連絡を取り合った。
俺たちと同じような経験をした奴らがいないか探りを入れてみたが、ドッペルゲンガーらしき者に出くわした情報は何一つとして浮上してこない。
まあ、元々ピンクゲートの最下層で起きたことだからな。
他のグループはたどり着けなかったのかもしれない。
(あんまり深く考えるのはよそう)
そう思った俺は一度この話をおしまいにするのだった。




