家計
「和希...あのね言いにくいんだけど...」
「母さん?」
「流石にミルティちゃんとケロナちゃんをうちで養うことはできないわよ? 家計的に厳しいし、できればあの子達は保護施設にでも送った方がいいと思うんだけど...」
と言われたのでこう言い返す。
「ああ、それなら大丈夫だ。これからは俺も家に金を入れるよ」
その言葉を聞いた母さんは驚いていた。
「なに? アルバイトでもする気なの? 気持ちは嬉しいけど流石にペット3匹に子供2人分を養うにはちょっと...」
まあ、そうだろうな。
普通に考えれば絶対に足りるわけがないわけだが、それはあくまでも学生である場合だ。
「母さん聞いてくれ。実はここ最近の【覚醒者】としての収入だけで15万以上入りそうなんだ」
と俺が伝えると母さんは目を丸くした。
「15万!? 本当なの?」
少し疑わしそうにしていたが、俺は取引の画像を見せる。
「ああ、多少の増減はあるだろうが、大体このくらい3日後には入ってくる予定だ。フリマサイトや政府の売却サイトで売り捌けばかなりの金額になることが分かったからな。それにまだまだ稼げるようになるからさ。金は俺がなんとかする」
俺がそう呟くと母さんは心配そうに俺の方を見てきた。
「和希。稼げるのが本当だとしても【覚醒者】の仕事って危険なんでしょ? 既に亡くなった人の噂もニュースで聞いたわよ。頑張るのは応援するけど、絶対に命を落とさないでね」
「...善処するさ」
絶対とは言い切れない。
今日も真菜が命を落としかけたのは事実だ。
金の入りは良いが、割に合わないと言えば割に合わないだろう。
なんせ毎日命を賭けなくてはならないからだ。
やはり安全に稼ぐには結局どのみち強くなるしかないのだ。
俺は自分のステータスを確認しながら、新たな戦略を編み出すのだった。




