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連絡
スマホに愛川から連絡がかかってきた。
「もしもし?」
「ああ、カズ君? 今いいかな?」
「ああ、問題ないが、何かあったのか?」
彼女と会話していると『翼装神意ラグド』その表面である【アトリエ・BD社】の本拠地が分かったらしい。
「一応【アトリエ・BD社】の公式ホームページに書いてある場所に向かったんだけど、そこはもうもぬけの殻だった、けれど慌てて逃げ出したのか残っていた書類の中に『翼装神意ラグド』の潜伏先が記されていたよ」
「場所は?」
「なんと聞いてびっくり大阪だよ」
「大阪か...。分かった詳しい話はそっちに戻ってからにする」
「うん、早く帰ってきてね。最近カズ君に会えてなくて寂しいから」
スマホから溢れ出てくる彼女の声質は確かに悲しそうに感じる。
「ああ、分かった。出来るだけ早く戻る」
俺がそう呟いた時だった。
カンカンカンと敵襲を告げるドレイク城の鐘が鳴り響くのだった。




