シュナ=レイスタン
「あ...あの...、ありがとうございました!」
と金髪の猫耳が声をかけてきた。
「...悪かったな」
「...えっ?」
「こっちの世界の人間がお前らを無理やり連れてきて声も出せないこんな玩具の姿に変えていたなんてな...。非人道的な行為にも程があるだろ」
俺の言葉にその猫耳の少年は声を出した。
「...確かにそう思います。でもあなたはそんな奴らから僕達を助けてくれた勇敢で強い人です。僕はそんな貴方を尊敬します」
「...よせ、あまり買い被るな」
と俺がその場を後にしようとした時だった。
「僕は港町アルセージの領主の息子シュナ=レイスタンです! 貴方のお名前は?」
「...高坂和希だ」
「高坂...和希様...。不思議です。初めて会った方の筈なのに妙に懐かしい気が...。
「...そうか。取り敢えずずっとこんな場所にいても気が滅入るだろ? お前達がこっちの世界の常識を知らないように俺たちのお前達の世界の常識を知らない。お互いに摩擦になるようなことを避けるためにお前達全員一度俺の使い魔になってくれないか?」
俺の言葉にその場にいた魔物やエルフなどの異種族達は少しまごつくのだった。




