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命の謝罪④

「...実は先日の事件【東京決戦】に置いて小日向美穂さんはお亡くなりになられました」


 俺の言葉と共に小日向の母さんの表情から笑顔が消える。


「...えっ?」


「【東京決戦】での戦いは想像を絶する戦いで死者も少なくない人数出てしまいました。自分は帰ってきてからずっと遺族の為に遺灰を渡す為に今こうして回っているのです」


 俺はアイテム欄から【小日向美穂の遺灰】を取り出した。


「...小日向美穂さんの遺灰です」


 俺は箱に入った遺灰を親族に渡す。


「これが...美穂?」


 その箱を見た瞬間に全てを悟ったように涙を流す小日向の母さん。


(...何を言われても仕方ない)


 そう思い覚悟した時だった。


「美穂の最後は...」


「えっ?」


「美穂の最後はどんなのでしたか?」


「...美穂さんの最後は自分を守る為に盾となってくれました。そのおかげで自分が生き残ることができたのです」


「...そう。美穂のやつ、いつの間にかそんなに大きくなっていたのね。自分の命を犠牲にしてまで好きな人を守ったと」


 それを聞いた小日向の母さんは涙を拭いた。


「あの子の覚悟が見えたような気がします。高坂さん。娘をそこまでの女性に育ててくれてありがとうございました」


 なぜか感謝される現状に俺は焦っていた。


「えっ...、えっ? 怒らないんですか?」


 今まで渡り歩いた所は全て酷い言葉をかけられてきただけにこの反応は意外である。


「何故ですか? 娘をそこまでの女性に押し上げたのは高坂さん、貴方です。それに...あの子は最後まで高坂さんの側に入れて幸せだったと思います。それだけあの子は貴方に入れ込んでいたのですから」


「...そうですか」


(小日向が俺の事を好きだなんて全く思わなかったな。...だから結美の奴が目の敵にしてたのか?)


 俺は大衆の面前で結美が小日向をフルボッコにしていたのを思い出しているのだった。


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