EX.【愛川結美の焦燥】⑧
「...カズ君?」
そう、◯◯を助ける為に彼が炎の中から現れたのだ!
「和希!!!」
(お前如きがメスの声でカズ君の登場を喜ぶな!)
私がそう思っていると、カズ君がこんなことを言い出した。
「結美、お前どうしちまったんだ!?」
カズ君の衣装も先ほどとは変わっており、まさしく勇者と言った風貌に代わっていて到着カッコいいけれど、何で目の前の女を助けるのか理解できない。
「そこの女がカズ君を私から奪うからだよ!!! 私のカズ君を奪って遠くに行こうとするから今のうちに始末しようと思っているだけ! ねぇ...カズ君なら分かってくれるでしょ!?」
と大きな声で彼にそう伝えるのだが...。
「何言ってるんだ? 結美。俺が◯◯にプロポーズしたのを忘れたのか?」
「...えっ?」
その言葉は私の心を深く傷つけた。
「なんで...?」
「何でって...。俺が◯◯を好きだからだよ」
その言葉をカズ君の口から言われると嫉妬心が内面からとめどなくドバドバと出てくる。
人間特有の悪意が私の中で増幅し、それを彼女にぶつける!!!
「私の前から消えろ!!!」
その言葉と同時にカズ君事私は全てを焼き払ってしまった。
最後に聞こえたのは2人の叫び声のみ...。
その後、私は暗闇の中を佇むのだった...。
『EXスキル【独りよがりの愛】と【愛する者を失う心境】を取得しました』




