約束通り
俺は約束通り、ミルティ達を外の世界(現実世界)に出してやった。
「...ここが外の世界!?」
両手をバッと広げて空気を思いっきり吸う彼女。
「なんか凄いね! 沼はないんだ! でも...想像していたみたいな広い草原じゃないんだね」
少しガッカリさせてしまったようだが、すぐに気を取り直す彼女。
「まあ、いいや! 沼よりかは安全なんでしょ!? だったら問題無いや」
すぐにルンルン気分になっている彼女に俺は言ってやる。
「ああ、そうなんだが、ここは俺たちの世界だ。ある程度のルールがあるからそれは守って貰うぞ」
「分かってるって! それよりケロナは?」
キョロキョロしている彼女に俺はケロナのカードを見せた。
「ここにいる。ケロナ召喚!」
俺がカードをかざすとケロナが現れる。
「えっ...えっ!?」
驚くケロナを見てミルティも驚く。
「こっちの世界だと俺の使い魔となっている者達はカードになっちゃうんだよな。まあ、体を動かしたい時とかは言ってくれたらすぐに戻してやるから、気軽に言ってくれよな」
カードとなっている魔物達の状態はいつでもメニュー画面で見られるので、ある程度の要求を飲むことができるのだ。
勿論主人は俺なので拒否することもできるが、ある程度の要求は飲み込んでいるつもりである。
「なんか面白い能力してるんだな和希って」
彼女はそう言いながら俺の事を見ているのだった。




