2人のカエル娘
俺と真菜は2人のカエル娘の寝床へと案内された。
寝床とは言っても少し隠れた日当たりの良い土地の真ん中に葉っぱのベッドがあるだけの場所だったがな...。
そこで水の入ったコップ(?)を渡されると黒髪の方のカエル娘が魔法で飲み水を作ってくれた。
最初は汚いと思ったが、意外にも水はとても澄んでいて美味かった。
「美味しい...」
真菜も驚いたようで目を見開いている。
すると赤髪の少女が声を上げてこう言った。
「そうだろうそうだろう! 私の妹のケロナはとっても水魔法が美味いんだ! 私も毎日飲ませて貰っているけど、ケロナより水魔法が上手くて美味い奴はなかなかいないと思うぜ」
「もう...ミルティお姉ちゃんったら...」
2人の会話から読み取るに、赤い方はミルティ。
黒い方はケロナなのだろう。
俺は2人を見ながら疑問に思ったことを問いかけてみる。
「まずはミルティ...だよな? 俺の妹である真菜を助けてもらった件について礼を言いたい」
「いいってことよ。私も妹であるケロナが食われててちょっと焦ってんだからさ。利用し合ったことはお互い様さ」
「次に聞きたいんだが、お前らはなんなんだ? 人間じゃないよな?」
「人間? ああ勿論違うよ。私達は蛙人っていう亜人の一種さ。と言うかお前たち2人は人間の兄妹なのかい?」
「ああ。俺と真菜は義兄妹だ」
「義兄妹? なんか複雑そうだね。ちなみに私とケロナは完全に同じ親から生まれた姉妹だ。とは言っても何人もいた姉妹たちの生き残りってだけだけどね」
「何人もいた姉妹?」
そこまで聞くと確かに卵の残骸が沢山合った場所に大蛇がいたのを思い出した。
「もしかして、お前たちの巣があの大蛇に襲われたのか?」
そう聞くとミルティはコクリと頷いた。
「ああ、全く姉妹たちは全員喰われちまうし、残ったケロナと2人でなんとか生活してたんだが、結局ケロナも喰われちまってね。いや〜、お前たち義兄妹のおかげで助かったわ! 本当にサンキューな!」
「私からもありがとうございます...」
2人の姉妹から礼を言われると少しむず痒いな。
「しかしどうしてこんな危険な所に? もう少し安全なところがあるだろ?」
そう俺が聞いてみると、ミルティは事情を話し始めるのだった。




