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大蛇

「真菜...?」


 俺は妹の名前を呟く。


 目の前でいきなり失われてしまった妹の素顔を思い出し、自分の言葉を思い出す。


(俺が真菜を守るよ)


 昨日そう言ったばかりじゃないか! 逆に助けられてどうする!!!


 そう思うと無力な自分に腹が立った。


「リィカ! 【ブラッド・スピア】!」


『感情の昂りによりEXスキル【魔物の扱い向上】を取得します』


 俺の指示を聞いてくれたリィカの槍が大きくなって放たれる!


 ブシュっと言う良い音と共に大蛇の皮膚に突き刺さった!


「ギシャァ!!!」


 大きな声を上げながら跳ね回る奴に追撃を加える。


「アル子! 【突進】! フワンは【水撃】だ!」


 リィカが皮膚を突き刺し、アル子が横っ腹に突撃し続け、止めとばかりに水の魔法をぶち当てるフワン。


 しかし、これだけの攻撃を以てしてもなお大蛇は倒せない。


 皆も確実に強くはなっているのだが、決め切るだけのスキルや魔法を俺たちは覚えていないのだ。


 ぬるい攻撃では奴に致命傷を与えることができず、消耗戦となる。


 奴の体力が尽きるのが先か、俺たちのMPが尽きるのが先かの勝負だ。


 そんな時だった。


 俺の頬を炎の炎剣が掠め去り、大蛇に一撃を入れたのは!

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