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二階堂銀二の思惑③

「おっかねぇな。真菜の隠密効果を受けている状態の俺をまさか見つけられるとはな」


「...貴方はこの部屋に入らないでください」


「なんでだ?」


 惚ける森虎に僕はこう呟く。


「...貴方は愛川さんに手を出す可能性があるからですよ」


「俺が? なぜだ?」


「惚けないでください。貴方は以前愛川さんのことを可愛い嬢ちゃんだと言っていました。この世界で彼女を愛して良いのは僕だけです。いくら貴方でも手を出そうとするのなら...」


 僕は魔力を解放させた。


「僕の自由意志によって貴方をこの世から消しますよ?」


 その言葉を聞いた彼はふんっと笑いながら軽く首を動かす。


「まあ、確かにそこの嬢ちゃんは可愛いが、流石にお前さんと事を構えるつもりはないよ」


 とか抜かし出すが...。


「ではなぜわざわざ隠密の付与をかけさせてまで僕を()()()()()()()()()()()?」


「...」


 急に森虎は黙りこくる。


「沈黙は僕の発言を認める事になりますよ? それが嫌ならちゃんと正当な理由を答えてくださいね」


 そうやって奴を追い詰めたつもりだったが...。


「いけねぇな。まだまだ真菜の調整が甘かったか。いやな。お前さんの嗅覚にすら察知されないレベルの隠密スキルを身につけさせたはずなんだが、それを試したかったんだよ。じゃまして悪かったな」


 彼はそう呟くと笑いながら消えていった。


「...読めない人ですね」


 彼の思考は僕でも読めない。


 何が目的なのかいまいちよく分からないと言った方がいいかな。でもまあ今は些細な問題だ。


 森虎の処遇なんて高坂和希を始末した後でいい。


「...愛川さん。なんで貴方はあんな低脳にあそこまで惚れ込んでいるのですか? 僕には何時間考えても理解できません」


 僕はそう呟きながら、一度部屋を後にするのだった。

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