【出血】
ビシャッとダラーンの血飛沫が飛び散る!!!
「ぐぬぅ!!!」
傷口を抑えながらこちらを睨む奴を見て弱点が分かった。
(あいつ...! 【出血】に弱いのか!?)
状態異常の一つである【出血】は一定数値の【出血】を与えた場合に発動する。
【出血】状態になった場合は攻撃力が低下し、更に割合ダメージである8分の1程度のダメージが一気に削られる。
故にHPや防御力の高い相手には有効な状態異常となる。
「小癪な真似を!!! 【獣王の咆哮】!!!」
奴は出血で低下した攻撃力を自分のバフスキルで補ったようだ。
だが、当然のことだが通常時と攻撃力はさほど変わらない。
(【出血】が効いてる!!)
奴の凄まじい攻撃力も俺のデバフと2人の吸血鬼の出血があればかなり低下させることができた。
「このっ!!!」
特大剣の一撃も最初よりかなり弱々しくなっている。
(この調子で戦えば勝てる!!!)
人数差で圧倒する俺たちの方がかなり有利だと思った時だった。
「やるな、人の子らよ。我がここまで追い詰められたのは久方ぶりだ。強者であるお前らに免じて我の魔法を見せてやろう」
彼はそう呟くと勢いよく天に飛んだ。
(なんだ?)
奴が天高く飛び上がると、静寂が辺りを包み込むのだった。




