戦況
「...私達エトランゼ王国は最近復活を遂げた獣王ダラーンの猛攻に晒されてしまい王と前女王は戦死してしまいこの様です」
(...なんか若い奴が女王を名乗っているかと思ったらそういうことか)
俺は苦虫を潰したような顔になりながらも話を続ける。
「...獣王ダラーン?」
「はい、見た目は巨人のようですが知能が高く戦略を練る事や武器を扱うことにも長けている化け物です」
なんかヤバそうな奴に狙われているんだなと思った。
それに先程場内で戦った魔物は獣系の敵が多かったのもそれを裏付ける実的証拠になる。
俺はため息を吐きながらも彼女に付き合うこと決めた。
「分かった。お前達の望みを聞こう」
「本当ですか!?」
「ああ、だが報酬はしっかりともらうぞ」
その言葉に彼女は少し気まずそうにした。
「...すみません。実は本陣である城下町ですらこの有様でして。貴方がたに差し上げられる物はもう何も残っていません」
「いや、別に金じゃなくても良い。鉱物資源の採掘権とか、食糧調達の為の土地とかでもいいんだよ」
「...すみません。我がエトランゼ王国は今ダラーンの進行により差し上げられる土地も今すぐにはないのです」
「別に戦いが終わった後でもいい。前払いなしで仕事がきっちりと終わったら貰う。それで良いか?」
という俺の発言には彼女はコクリと頷くのだった。




