妬み②
〜次の日〜
やっぱり女子からの会話が多くなった気がする。
昨日のランクマッチを終えてからと言う物、なぜか話しかけられる回数が妙に増えたのだ。
「高坂君、今日暇?」
「高坂君、何か趣味とかあるの?」
「高坂君」
「高坂君」
(...なんか女子との会話が妙に増えたな)
そう思っていると嫉妬の瞳で結美がやばくなるので毎日のガス抜きが必要になってしまうのでかなり面倒くさい。
蜜香以外の女子が俺に近づいてくるのは基本的に許せないらしい。
※蜜香は俺と結美の恋愛を応援しているのが分かるから大丈夫らしい。
ただ、他の女子は下心丸出しなのが透けて見えて嫌らしいのだ。
「私のカズ君にあんなハエがたかるのが許せない!」
と部室では叫んでいる。
「ハエは流石に言い過ぎじゃないか? それにあの子達は【覚醒者】としての活動を殆どしてこなかったみたいだし、高レベルの俺に初心者用の経験値稼ぎ用のゲートを教えて欲しかっただけだと思うぞ?」
そう俺が返すと「どうだか? カズ君は男の子だから分からないでしょうけど。女の感って言うのは当たるものよ。あのメス豚供はきっとカズ君の体が目当てなのよ! あ〜あ! いやらしい最低の女狐供になんて威圧して良いんだからね!」と高圧的な態度で他の女子が俺に近づいてこないように言い聞かせてくる。
(いつにも増して機嫌が悪いな結美は...)
最近彼女のこう言う表情を多く見るようになってきた気がする。
俺が他の女子と話す度にイライラしているみたいなのだ。
放課後がくる度に部室で俺にこんな風に言い聞かせてくるのは正直迷惑である。
だが、彼女の未来の夫として彼女の意向も聞いておくべきだろう。
「分かった。他の女子と話す時間はできる限り短くするよ」
俺の言葉に彼女は喜んだ。
「ええっ! それが良いわ! そうしましょう! カズ君の話相手は私だけで充分なんだからね!」
「だけど、人として最低限のあいさつや会話はさせてもらうよ。流石にそれは人として行う最低限の行為だから」
「うん。そのくらいなら良いよ。挨拶やプリントを渡す時くらいは話しても何にも思わない事にする」
なんとか話をつける事に成功はしたがコレからも彼女の動向には気をつけるべきだろう。
そう思いながらも一息をつく俺なのだった。




