赤い蛙
俺のメニュー画面が開いてあいつが勝手に出てきた。
「おいっ! 和希! 面白そうな事してるじゃん! 今回は私を使えよ!」
「なっ!? ミルティ! 勝手に出てくるな!」
「いいじゃん別に! 減るもんじゃないしさぁ!」
ミルティの登場よりも腰に付けた刀に目が行く土谷さん。
「刀...? という事は私と同じく剣士の方ですかな?」
その問いにミルティはこう返した。
「剣士? ああ違う違う! 私は剣士じゃないよ。剣士ってのは剣の道を極める者の事を指すけれど、私はただの戦闘狂だからね。ただ戦えればそれでいいってだけのバトルジャンキー...っていうんだっけ? 和希?」
俺は頭を抱えながらもそれを肯定する。
「ああ、そうだミルティ。お前はバトルジャンキーってやつであってるよ」
俺の言葉に嬉しそうに答える土谷さん。
「バトルジャンキーですか...。良いですね。私も昔はそういう時期がありましたよ」
「そうなのか!? おっちゃんとは話が合いそうだな!」
笑顔でそう叫ぶミルティの頭を俺は叩いた。
「何すんのさ和希!」
「一応相手は年上だ。少しは敬え」
「なんで? 生きとし生ける者は全て平等だよね? 多少の上下関係なんて所詮人間の枠組みでの話だろう? 私達使い魔にそれを当てはめないでよ」
ふふんと笑う彼女にゲンコツを1発くらわせる。
「ちょっといた〜い!」
「馬鹿っ! フワンを見ろ! 上下関係しっかりしてるしお前と同じ使い魔だぞ!」
「...フワンは堅すぎるよ。私はもうちょっと自由主義かな」
「自由主義って...。まあ良い。取り敢えず土谷さんと戦いたいんだな? 後で彼にさっきの件で謝罪しろよ。そして次からは土谷さんと呼べ」
「うん、私が満足できたら土谷さんって呼ぶね。満足できなかったらおっちゃんって呼ぶから」
全然反省していない彼女に俺はもう一度声を上げる。
「お前なぁ...!」
その時だった。
「ほっほっ。良いではないですか。そのくらい元気な子の方が私も楽しめるというものです。和希様」
「そ...そうか? 土谷さんが良いっていうのならいいけど...」
なぜか土谷さんはミルティに好印象を受けているようだったので2人の戦いを見てみることになるのだった。




