クリスマスの夜
俺と結美はゲームセンターで沢山遊んだ。
彼女と2人きりで遊ぶのはかなり楽しい。
お互いに分かり合っている中だからこそ、お互いに遠慮せずに楽しめるのだろう。
「楽しかったねカズ君♡」
「ああ、やっぱり結美と一緒にいるのが1番楽しいわ」
「そ...そう? だったら嬉しいな♡」
(まあ、その狂愛っぷりがなけれ完璧なんだがな)
俺が彼女を連れて歩いていると突然結美のスマホに電話がかかってきた。
「もう、こんな時に誰かな?」
「出ていいぞ」
「うん、すぐに話終わるから待っててね」
そう言いながら彼女は数分ほど電話先の人と話す。
「えっ!? 帰ってきてるの!? うんうん! 分かった! じゃあ連れて行くね!」
ぴっと通話を切ると彼女は満面の笑みで俺にこう言い出した。
「カズ君、実は私のパパが帰ってきてるらしいんだ」
「そうか、よかったじゃん」
結美の父さんは愛川グループの社長である。
俺も昔会った事はあるそうだが、正直覚えていない。
なんか昔結美の父さんに何か言われたのは覚えているが...何だったっけな...。
などと思っていると彼女はこんな事を言い出すのだった。
「カズ君。今からパパに会えないかな? 実はカズ君に会いたがっているみたいなんだ」
「愛川グループの社長が? 俺に?」
なんで結美の父さんが俺なんかに会いたがっているのかは不明だが、ここはあいさつしておくか。




