日が落ちる
「日が落ちてきたな...」
あの後もしっかりと遊んだ俺は少し寂しさを醸し出す夕日の海を見てそう呟いた。
「何言ってるの! カズ君! まだ1日目だよ? もっともっと楽しまなくちゃ!」
とは言うもののやはり夜は眠りたい。
どうも俺は夜に起きると言うのが上手いことできないのだ。
元々人類は朝に動いて夜は眠ると言う基本的な行動が遺伝子に染みついているらしく、夜型の人間は実際いないと言っても良いくらいらしいしな。
「悪いな結美。流石に夜は寝た方がいいと思うぞ。まあ10時くらいまでなら付き合うがな」
「もう...。カズ君は真面目なんだから...。まあそんなところも好きなんだけどね!」
俺は皆と一緒にホテルに戻りながら沢山喋った。
晩御飯は皆で一緒に食べる事になり、豪華な食事を楽しんだ。
その後部屋に戻ると結美がこんな事を言い出した。
「いよいよだね...♡」
ギィィと部屋を開くと彼女は早速風呂に入ろうとする。
「昼間は沢山海に入ったし、今から一緒にお風呂に入ろ...」
そう言い出した瞬間に俺は母さんたちのいる部屋に爆速で逃げる。
「悪い結美! 流石に高校生でそれは無理だ! 大人になったら考えるから!!!」
捨て台詞のようにそう吐き捨てた俺は結局逃げてしまうのだった。




