眠れん!!
俺は今日あった事を思い出してしまいなかなか眠れなかった。
(眠れないな...。全く結美の奴、余計な事をしやがって。お陰で気になって眠れないだろ...)
俺はそう呟きながらも口に手を当ててあの感触を思い出す。
(結美のくちびる...、柔らかかったな...)
女の子のくちびるってあんなに柔らかいのかと思うほどに優しい感触がしたのである。
よくよく考えればあんなに良い女の子がなんで俺なんかに一目惚れしたのだろうかと思うほどだ。
そんな子のくちびるを彼女からとは言え奪ってしまったと言う事実は消えない。
(...責任取るか)
いや...、俺なんかに結美の男として責任を取れるのだろうか? やはりそこが1番の課題になってくるだろう。
「う〜む...俺なんかに責任取れるのか? 結美の結婚相手として?」
正直言うと結美は嫌いじゃないし、寧ろ寧ろ好きな部類ではある。
昔から一緒にいるからこそ相手が大体どんな奴かは分かっているつもりだし、一緒にいた時間も楽しい時間がほとんどだった。
勿論結婚したら感覚も変わってくるのだろうが、彼女となら上手く行けそうな気がする。
しかし、やはり彼女が愛川グループのご令嬢と言う点だけがネックなのだ。
(...俺に務まるのか? 愛川結美の婿が)
俺はそんな事を考えていると寝入っているのだった。




