結美とデート⑦
俺と結美が向かったのはボードゲームが沢山置いてある店だ。
古くからある店でネットが普及してきた昨今では淘汰されて行く店ではあるが、それでも頑張ってほしくて俺はよくここでボードゲームを購入しているのだ。
見慣れたおばちゃんに声をかけながら店の奥の方へと入っていき、色んなボードゲームを見て行く。
「さぁてと、次は何で遊ぼうかな...」
ボードゲームは人数が集まれば集まるほど楽しい。
特にTRPGと呼ばれるものはその様子が顕著だ。
人数が少ないと物凄くつまらないが、多ければ最高のゲームとなる。
今回は昔皆で遊んだTRPGの拡張パックを買おうかな。
役職が最初にランダムで振り分けられる系のボードゲームはたま〜にこういう拡張パックが発売されることもある。
新しい役職が増えればその分楽しみが広がるし配られる時のワクワク感が増えるのでできるだけ購入するべきだろう。
「おばちゃん、これちょうだい」
「1000円だよ」
「ほい」
俺はおばちゃんに1000円を渡した後に物を購入する。
その様子を見ていた結美が声を上げた。
「今日で1番楽しそうにしてるね」
「んっ? そうか?」
「うん、私の大好きなカズ君の顔♡」
ふふっと笑いながら俺に抱きついてくる結美。
「お熱いね〜」
おばちゃんも茶化してくるが不思議と嫌な気はしない。
結美と帰り道を歩いていると...。
「高坂君はっけ〜ん。勝手に有能ゲートクリアして罪を償う為に何やってるのかと思ったらデートかよ? まあ俺もだけどな」
聞き慣れた声が聞こえたので振り返る。
「...伊藤か?」
俺の背後に伊藤の姿があるのだった。




