魚竜の子供
「和希様!!!」
グレインがすぐさま剣を引き抜き魚竜の子供を斬り殺そうとするのを咎める。
「待て」
「はっ!」
聞き分けのいい騎士だな!
たった一言でぴたりと止まる辺り忠誠心はとても高いと思う。
『魚竜の子供が貴方の事を尊敬の眼差しで見ています。テイムしますか?はい/いいえ』
(まあ、1匹くらいならいいか)
そう思い「はい」と答える。
魚竜の子供は喜びながらカードとなり俺の配下になった。
【魔物テイム(47/1000)】が増えたのを確認した俺は少し嬉しくなる。
「さあ、魚竜から素材を回収するかね」
なかなか強い魚竜の素材はきっと高く売れるだろう。
ドレイク騎士団の面々に仕事をさせながら、解体作業が終わるの待っている間に外にいる松林さんと話をしておこう。
〜外〜
「松林さん」
「おお、高坂君、なかなか来ないから全滅してしまったのではないかと思っていたよ」
「その点は大丈夫です。魚竜は全員倒しました」
「そうか、ならゲートクリアになるかもな」
「そうですね」
しかし、そうは言った物の先ほどの魚竜の群れが今回のボスだった可能性は少ないだろう。
ゲートの主人であるボスがあれだけ群れをなすとは考えづらいからだ。
実際ドレイク騎士団がいなければもっと戦いは長引いていたと思うが、それを加味しても...な。
俺と松林さんが今回の件で話をしていると、不意にこんな事を言われた。
「君が本当にあの有益なゲートを自己利益の為にクリアしたとは思えないな。先ほども私を助けてくれたし、横川君の弟さんを助けたのも君だ」
「それは...」
「何があったのか話てくれないか? もしかしたら微力ながら力になれるかもしれない」
「...わかりました」
俺が松林という男を信じて本当の事を伝えるのだった。




