濃い黄色のゲート
今回のゲートはかなり濃い黄色のゲートだ。
危険度的にはかなり高いが、それだけに多人数で挑むことになっている。
しかし、俺の姿を見ると他のパーティの面々はヒソヒソ話をし始めた。
「おい、あいつだよ確か」
「ああ、最近稼ぎどころのゲートを潰しちゃった奴だろ? 今回のゲートが稼ぎやすい所だったとしても私利私欲でクリアしちゃんじゃね〜のか?」
「いやそれはない。そうならないよう政府は有用なゲートや未開拓の黄色以上のゲートを使う時は3パーティ以上で挑むことを推奨し始めたからな。流石に他の2パーティ以上を相手取る事は1パーティにはできないだろうさ。あの伊藤とか言ううざったい聖騎士のいるパーティ以外はな」
「...」
俺に対する風評被害はやはりかなり響いているようだ。
「...あいつら!」
そう言いながらミルティが文句を言いに行こうとしたので止める。
「何すんだよ和希!」
「やめとけ、今言い争うのは得策じゃない。あいつらは俺を悪だと認識しているからな。どんな言葉を言った所で信じてくれる訳がない。」
俺の言葉に「冤罪をふっかけられて悔しくないか!?」と言ってくるが、こればかりは仕方ない。
「悔しいさ、悔しいからこそあのゲートよりも有意義なゲートを発見すればいいんだ。前のゲートよりも稼げるゲートを探せばいい」
「...分かったよ」
むすっとしているミルティの頭を結美が撫でる。
「大丈夫。カズ君ならきっと成功するから、安心してついていきましょ」
結美の言葉を聞いていたミルティはコクリと頷いた。
「さあ時間だ。まずは自己紹介をしよう」
と言い出す他の【覚醒者】がいた。




