一葉の装備品
「私の武器を見てみたいって?」
そう呟いたのは一葉でした。
そしてその声の先にいるのは黒木さんです。
「はいっ! 初めて見る装備品なので【付与術師】としての本能がついつい騒いでしまったのですよ!」
とテンションマックスな黒木さんは久しぶりに見ましたね。
「まあ良いけど」
「ありがとうございます!」
そう言いながら一葉の武器を鑑定し始める黒木さんでしたが、なぜか微妙な顔をしていました。
「...ん〜?」
なぜ変な顔をしているのか気になったので私もついでに鑑定してみることにしました。
【銀河龍大剣ギリガイア+5000】
力+???
防御力+???
攻撃魔力+???
回復魔力+???
妨害魔力+???
『宇宙を作ったとされる【銀河龍】の力を封じ込めた偉大なる大剣。常人に扱えず【勇者】のみ装備可能』
その装備品の質を見て私たちはキョトンとするしかないのだ。
なぜなら、私たちレベルの眼力を持ってしても装備品の良し悪しが理解できない装備品なんてとんでもないということしかわからない。
しかも確かな武器を見通す力を持つ黒木さんですらこの有様ならば仕方ないだろう。
「なんで蜜香は固まってんだ?」
そう一葉が私に聞いてくるが、それは単純にこの武器が凄いということを伝えると...。
「まあ、この剣を手に入れた経緯を話したら絶対にママも驚くだろうし、ちょっと話そっか?」
嬉々としてそう語り出そうとした彼女の口を遮るように興奮した黒木さんが声を上げるのでした。




