【魔神クラウス】⑤
「ママっ!!!」
「母さん!!!」
双子の勇者が声を上げながらクラウスに襲いかかる!
「おっと、やはりあの程度では貴様らをグロッキーにする程度なのだな。しかし我輩の演舞の前に敗北するがいい」
再びあの踊りを踊りだすクラウスに対して修がこう呟いた。
「姉さん、もういいでしょう。お遊びは」
「...そうだね。準備運動はこのくらいにしよっか。それに」
一葉が私のことを見つめながらこう呟きました。
「ママを苦しめた奴にはそれなりのお礼をしないとね」
その言葉と同時に明らかに一葉の魔力が湧き上がる!
こうして横に立っているだけで怖いくらいに...。
その殺気を向けられているクラウスはそれ以上の恐怖を味わっている事だろう。
「修、奴が逃げようとしたら...」
「うん、姉さん。わかってる」
2人のやり取りの後、やはりクラウスは逃げ出そうと考えているようだった。
「【魂の演舞】+3200!!!」
再びあの技を繰り出してくるクラウスでしたが...。
「【破壊剣】+5300」
クラウスの攻撃を大剣による圧倒的な攻撃力で叩き潰す!
凄まじい攻撃力によりクラウスは一瞬にして大打撃を受けた。
「グギャアアアア!!!」
「...躱したね。でも次はないよ」
有り余るほどの殺気を奴に向けている一葉は正直に言うと私でも怖いくらいだ。
「ぐっ! ここは撤退だ!」
そう言いながら逃げ出したクラウスを修が捉える!
「【インフィニティゲート】! 【ヘブンズ・チェーン】!」
修が叫ぶと同時に巨大な天門が出現し、その中から光り輝く天使の鎖がクラウスを繋ぎ止めようと縛りつけた!
「がはっ! こんな物...! 砕いてやる!」
全力で鎖を引きちぎろうとしているがそれは無駄に終わる。
「馬鹿な! この程度のおもちゃが引き剥がせないだと!?」
「おもちゃで悪かったな。それは僕の師匠が託してくれた道具の一つだ。お前如きに破られるほどちゃちな代物じゃない」
「そう、そしてこれで終わり。せめてこの星にダメージがいかないよう空中で切り裂いてあげる!」
修が空中にクラウスを投げ飛ばし、一葉がそれを切り裂く!
「ぐはあああ!!! ば...馬鹿な!!! この程度の青二歳どもに我輩がぁぁぁぁ!!!」
凄まじいまでの叫び声と共に爆発するクラウスを眺めながら、武器を納める2人なのだった。




