国王の真意
「...そんな」
「俺たちの召喚はそのラルって姫様の生命力を代償に得られる物だったってぇのか?」
「...」
「ひどい...」
「それでも俺たちは殺される訳にはいかない。魔王を倒したからってゴミみたいに捨てられると言うのなら俺たちは抵抗しますよ」
カズ君の言葉に私たちは王様を睨みつけました。
「...ふむ。何か勘違いをしているようだな勇者諸君。私はお願いしているのではない。命令しているのだよ」
その言葉にブチ切れた佐藤が剣撃を王に浴びせます!
「何が命令だ! ふざけるな!!!」
しかし、歴戦の戦士である佐藤の剣撃を王様は軽くいなしました。
「ふむ、さすが勇者パーティの戦士殿だ。ちと手強いな」
そう言いながらも反撃に転じて佐藤の鎧を削り取ります!
「ぐっ!」
「佐藤さん! 今すぐに装備品への強化バフをかけます!」
黒木さんが佐藤の防具にバフをかけようとすると...!
「王を守れ!」
と会場に居た兵士たちが黒木さんを狙って弓を放ちます!
「わわっ!」
と焦る黒木さんを守るようにカズ君が巨大な盾を展開させて私たちを守ってくれました。
「皆! 大丈夫か!?」
「ああ!」
「ええ!」
「はいっ!」
「問題ない!」
「私も大丈夫だよ! カズ君!」
その言葉と同時に瞬間移動の魔法で逃げようとした私たちでしたが...!
「っ! 瞬間移動の魔法が掻き消された! 恐らく王様の魔法だ!」
と瞬時に石川君が見抜きました。
「ってことは王様を倒さない限りここから逃げられないってわけか」
佐藤の言葉に皆が頷きます。
悪いですがここで負ける訳にはいきません。
私は王様に対して本気で挑むことにするのでした。




