気分が悪い
「...あの女」
私はレギナの言葉を思い出しては少し気分を悪くしていました。
(最悪なやつだとは思っていたけれど、まさかあんな嘘を吐くとは思わなかったわ。口直しにカズ君と会話したいな)
そう思った私が宿に戻ると...!
「結美!」
「...小鳥遊優樹」
明らかに心配した様子で私に抱きついてくる小鳥遊優樹。
「よかった! 無事だったんだね!」
「ええ」
カズ君には私が小鳥遊優樹から逃げ出した事を伝えてあるので面倒くさい事になならなそうですが、それでもやっぱりこうはなるでしょうね...。
「本当に良かった。結美の身に何かあったら私...!」
本当に心配そうにしている彼女は私の母親ですか?
私はため息を吐きながらこう言い返しました。
「勝手に部屋を抜け出したことは謝りましょう。ですが危険なことは何もしていないので安心してください」
ぽんぽんと彼女の頭を叩きながらそう呟く私。
それを見た彼女は私の顔を見ながらこう言い返してきました。
「本当に?」
「...本当ですよ」
「怪しいなぁ...」
いつもの結美ならここで食い下がるはずなのにしつこいですねぇ...。
私がそう思っていると...!
「すまん結美、優樹がしつこすぎて話しちまった」
「カズ君!?」
カズ君がそう言った後からは小鳥遊優樹の激怒の声を聞くハメになるのでした。




