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【バーサーカー】リロフ⑤
「...」
「...」
私と小鳥遊優樹はしばらく沈黙を守ったまま動きませんでした。
「...」
グチュ、グチュ。
生々しい音と共に既に死亡しているデビルベアの死体を殴りつけているリロフ君の姿はまさしく【バーサーカー】でした。
ある程度時間が経ってくると、徐々に破壊衝動が収まってきたのか少しずつ大人しくなって行くリロフ。
「...すみません。お見苦しい物をお見せして。僕は戦いになるといつもああなっちゃうんですよね。それでたまに味方にも攻撃しちゃって...。だからですかね。誰かを傷つけてもすぐに直せる【回復術師】の【眷属者】に僕が選ばれたのは...」
どこか遠い目をしながら彼は息を吐きました。
「すみません。また今度ホタルを見に来ましょう。本日は台無しにしてしまい申し訳ありませんでした」
彼はそう呟くと1人でこの場を去ってしまうのでした。




