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魔物との遭遇
グルルッグルゥ。
ガオォオオオ。
魔物の吠える音。
黒色がかった青色の狼のような魔物。三匹いて、どれも尻尾をふって威嚇している。ツノのような物が頭部に生えていた。
こちらに向かって足を仰け反らせている。
「この生き物は何? 狼に襲われなんてしたら私、死んじゃう」
うー
(これはダークウルフですね。比較的弱い魔物なので、さっさと倒しちゃいましょう)
ダークウルフ。それはこういう森に多く生息している魔物であり、主に集団で行動する。比較的弱いと言っても武器を持っていて、ある程度戦闘を重ねた者はすぐに倒せるが、クリスティーナは恐らく無理だろう。
「比較的弱いって私、何の武器も持ってないのよ! 倒せるわけないじゃない」
うーううー
(私がいるので、安心して下さい)
ラビッシュがいるから大丈夫だよね、とクリスティーナは反芻し、木の後ろに隠れていた。
ラビッシュは大きくなった。そして、技を唱えだし……。
ダークウルフは咆哮を上げた。
ウーワオーン!!
森の空気ががらりと変わった。空は黒くなり始めた。