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無能勇者の烙印  作者: 汐倉ナツキ
第一章 勇者ノ往ク末
1/47

プロローグ



 



 ⎯⎯⎯ふざけるなッ!


 お前らが執り行った蛮行、不条理! 理不尽!

 その負債すらも赤の他人に押し付けて何様のつもりなんだ!


 煮え滾る怒りを舌打ち混じりに吐いている間にもすでに死に体の身体に大型種の突進による打撲傷、枝木や大型種の爪による裂傷がとどまる事無く増え続けていく。

 蓄積していく疲労は徐々に真昼の身体を蝕む。

 真昼は襲撃がある中、不規則に息を乱しながら霧の掛かった薄暗い森をひたすらに走り続けた。




 ▼




 世界で最も弱いとされている最弱の魔物『レッドスライム』の姿を模して作られた烙印。


 ⎯⎯⎯無能の烙印。


 丸い円の中に赤を塗っただけのその烙印には計り知れないほどの侮蔑の意味が込められていた。

 その烙印はある程度でも地位があり、その上で力の無い者⎯⎯⎯つまりは貴族以上の身分で魔術適性が無い者にのみ与えられる烙印である。


 この国の人間は魔術士至上主義らしい。

 そんな訳で貴族の親は魔術適性が無いと判明したら実子でも簡単に切り捨てる⎯⎯⎯無能と罵りながら。

 この国は腐り切っている。


 そして、その烙印は───俺にも刻まれた。


 ステータス開発の結果他の二人と違い、俺には魔術の適性が全くと言っていいほど無い事が分かった。

 その上、俺のステータスに記載されている情報が村に住む一般人と遜色無かった。


 俺の身分は貴族では断じて無いが、烙印を刻まれるという事はそれだけの地位があるという事になる。

 異世界から召喚された『勇者』には⎯⎯⎯。




お読み頂きありがとうございます。


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