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23.異世界と時空転移

 ミーナはタバコの煙を吐き出しながら、微睡んでいた。

 自室のベットの上。

 徹夜で新しい武器のデザインを書き上げ、先刻ようやく完成。あとはタバコを吸って、ウイスキーを飲んでから眠るという完璧な予定だ。


「ふぅ。仕事終わりと飯食べた後のタバコだけは辞めらんないなぁ」


 誰に聞かせるでもなく呟きながら、自分が書いたデザインに視線を落とす。


 武器の美しさは装飾ではなく、その破壊力だったり切れ味だとミーナは考える。

 今回書いたのは両手で持つ大型の剣で、持ち手の下の方と刃の先端を極端に重くすることにより、振り下ろすスピードを最大限に高めるという設計に、無駄のないデザイン。


 納得のいくデザインに満足感で包まれていた。


「ふぁぁ」


 と大きなあくびをしたミーナ。

 その瞬間、爆発音が響いき部屋の中に突風が吹いた。


 突然の風に持っていたタバコが吹き飛ばされる。


 驚きながら、パッと見上げるとそこにはレイチェルと桜咲が立っていた。


「な、なんなのよアンタ達!」


「あ、こ、こんにちはミーナさん」


 と、桜咲は苦笑いをした。


 驚くミーナに桜咲とレイチェルは説明する。


 ギルドの依頼でココノエ洞窟にファングリオンを討伐に向かうと、既に何者かにファングリオンは討たれており、その男がレイチェルに突然魔法を撃ってきた。

 桜咲の魔法でその男を捕縛し、情報を読み取るとその男、イクサはウルダッセンの帝国軍であった。

 その情報を読み取られたイクサ自爆。


「で、爆発から逃れるために時空転移魔法でここに逃げ込んだってことかい?」


 ウイスキーをそそいだグラスを片手にミーナが問う。

 レイチェルは頷いて答えた。


「そうなの」


「なんだってウチなんだい」


 ウイスキーを飲み干すミーナ。


「あ、いや、ミーナさんから頂いた刀を握ってたから、つい」


 桜咲は苦笑しながら答えた。

「ま、いいけどね」とミーナはグラスにウイスキーを注ぎながら言う。


 どうでもいいけど、この人さっきからずっとストレートで飲み続けてるぞ。


「でも、おかしな話さねぇ?」


 ミーナに言われレイチェルも頷く。


「そうなのよ。今、ウルダッセンはどの国とも国境で警戒しあってて、簡単に出入りは出来ないはずなの。それなのにオウガスト領で魔物を討伐してるなんて」


 ウルダッセンは10年前から侵攻を行なっている、言わば敵国。

 そんな国の軍人が他国の領地に入り込んでいるというのは、どう考えても穏やかなことではない。


 話を聞いてミーナはグラスを空にしてから立ち上がった。


「とにかく、ギルドに報告だね。レイチェルは一緒にきてくれるかい?」


「うん」と頷きレイチェルは立ち上がる。

 レイチェルに釣られて、桜咲も立ち上がるとレイチェルが桜咲を気遣った。


「あ、ショウはいいのよ」


「でも、することもないしさ」


 桜咲がそう言うとミーナはタバコに火をつける。


「こっちはいいから、休んでりゃいいさ」


 フーッと煙を吐き出すミーナ。


「街を歩いてみたら?」


 レイチェルが言った。

 確かにこちらの世界、アルクラインに来てから街をじっくり見る機会なんてなく、移動時に絵につく範囲しか知らない桜咲。


「あ、じゃあそうしようかな」


 桜咲は言いながら、レイチェルの目を見た。

 本当に無事でよかったと改めて思う。


 誰かを守れる力自分にあるって幸せなことだと実感した。


 だが、弱肉強食な異世界、剣と魔法の世界において誰かを守る行動は誰かを傷つける行動になり得る。

 襲って来た敵だとしても、自爆し目の前で果てたイクサへの苦い気持ちをどこかに感じる桜咲だった。

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