16.異世界朝食
迎えにきてくれたレイチェルに連れられて桜咲はギルドのカフェスペースの1卓に座った。
「ショウは朝ごはん食べてないよね?お腹空いてる?」
レイチェルの気遣いで胸はいっぱいだがお腹は空いている。
「でもまだこっちの通貨持ってないからなぁ。なにか依頼をこなさないと。それに自分の魔法についても知りたいから、街から近い魔物討伐なんてあると最高だね」
自分の懐の寒さに申し訳なさを感じながら桜咲は言った。
桜咲自身の設定は全属性魔法無限使用に達人クラスの体術、のはずなのだが前日のドラゴン戦だけでは情報が少ないと一抹の不安を感じている。
「じゃあこれたべられるかな?」
そう言ってレイチェルは持っていたバッグから何かを包んでいる布を取り出し、そのまま桜咲に手渡した。
「これは、、、」
レイチェルから受け取った布を開くと中にはサンドウィッチが入っていた。
昨夜も食べたサンドウィッチだが、見た目や包装から察するのこれは。
「もしやこれは手作りでは?」
神妙な面持ちでレイチェルに問う桜咲。
うん、と少し恥ずかしそうに頷きレイチェルは答えた。
「うおおおおおおおおおおおお!」
雄叫びをあげる桜咲にレイチェルは慌てる。
「ちょっとやめてよ、ここギルドなんだから!」
更にレイチェルは赤面していた。
来たぞ、ファンタジー名物ヒロインの手作り料理!
ああ、何て美しいフォルムなんだこのサンドウィッチ。そしてなんたる美味か。ハムとレタスのハーモニーを優しく包み込むパン。生きとし生けるもの全てに感謝、うん、そんな感じ。いや素人の食レポなんてこの辺で限界だからね。
桜咲は瞬く間にサンドウィッチを完食した。
「すんごい美味しかった、ご馳走さま」
「お粗末様でした」
ふふふと笑いながらレイチェルは桜咲の食べている様っを見ていた。
桜咲が完食したのを見てレイチェルは「じゃあ」と話をきりだした。
「依頼を受けに行こうか。朝ごはんもたべたし多少遠くても討伐依頼にしようか
?私1人じゃあんまり行けなかったけど、討伐依頼だと経験値多いしね」
2人は席を立ち、ベリーのいるカウンターへと向かった。




