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14.異世界と自室

 レイチェルの提案でパーティーを組むことにした桜咲はそのままベリーのいるカウンターでパーティー登録をした。


 カウンターではベリーがニヤニヤしながら桜咲に「うちのレイチェルに手出したらダメよ?」とからかってきたのでついつい赤面してしまう。


「変な事言わないでよ」


 とレイチェルも赤面しながら言い返していたがレイチェルとずっと一緒にいることに喜びを感じずにいられるほど朴念仁でもない桜咲。やはり美少女と一緒にいるのは嬉しいものである。

 そんなやり取りをしているとベリーが1枚の紙を見せてくれた。


「ショウは住むところないんでしょ?違う世界から来たにせよ来てないにせよこの街に来たのは初めてなんだし。レイチェルとパーティーを組むってことはこの街を拠点にするって事なんだから部屋が必要じゃない?」


 桜咲は大きく頷く。

 そうか、ファンタジーといえど生きていかなければいけない以上生活基盤は必要になる。仕事はギルドの依頼をこなすことにして、住むところはすぐに考えなければいけないところだった。


「そうだ、どうすれば僕みたいな身元のハッキリしてない人が住む場所貰えるかな?」


「それだけ聞くとショウはダメダメね」


 笑いながらレイチェルがそう言った。

 確かに、と桜咲も苦笑してしまう。


「そこで!」とベリーは再び手元の紙を指さした。


「この部屋はどう?ギルドの寮なんだけど、家賃は1ヶ月に銀貨4枚よ」


 ベリーの指さす紙には部屋の間取りらしき図と読めない文字の羅列があった。

 桜咲は特に住むところへのこだわりがある訳でもないので、もちろん快諾。

 銀貨4枚の価値は分からないが魔法さえあれば高難易度の依頼もこなせるだろう。


「あ、じゃあ、お願いします」


 桜咲は快諾し、ベリーに案内してもらうことになった。


「じゃあ、今日はここまでかな?また明日ギルドで集合しようね」


 そうレイチェルは言い残し、ギルドを出ていった。

 桜咲はそのままベリーに案内してもらいギルドの裏手にある寮へと向かった。


 ギルドの部屋はそのまま生活出来るほど家具が揃っている。ベッドにクローゼット、小さな机と椅子。

 自炊施設はないものの、この世界の生活基盤はこれで充分ということだろう。


 1連の説明を受けベリーがギルドに戻ると桜咲はベッドに飛び込んだ。


「始まるんだ、俺のファンタジーが」


 暗くなっていく窓の外をじっと眺め最初1日を終えた。

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