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という訳で、大変でした。

こんばんは!


アクセス&ブックマークありがとうございます!


おかげさまでジャンル別 現実世界 恋愛 日間ランキング22位にランキング入りました。ありがとうございます(*^^*)

「でね、スマホの写真すみからすみまでチェックされちゃった」


「へぇ、なんか仲いいんだな」


ここは、彩未のカレシ翔太の部屋。

翔太が独り暮らししているマンションの一室だ。


週末はいつも彩未はここで過ごしている。そして、夏休み中の今も。そんな事が、付き合いはじめてからずっと続いてきている。でも、それはたった数ヶ月前の事。

と、言うのも...彩未と翔太とは、産まれたときからご近所さんという間柄。そして、高校一年生から大学一年生まで付き合って、別れてそして。

つい、2ヶ月ほど前に再会した...。合コンで。


再会したその、次の日にはやっぱり彩未もそして翔太も、好きだという想いを伝え合って。今に至る。


「で、さ。とりあえずは挨拶にいこうか?」

翔太が、いったいどこに、でとさをつけたのか。

そう言った。

「ん?」

「ちょうど明後日は桜花F.C.あるし、ついでに話だけしておこうと思うんだけどさ」

「挨拶ってそのあの。挨拶ってあの挨拶」

「たぶん、そのあの挨拶」


クールに言われて、彩未は翔太の顔を見た。


なんだかプロポーズされてからというもの、翔太は何というか、落ち着いた。そんな言葉がしっくりとする。


前まではすぐに照れてたのに。


「いる?」

「いるだろ?」


「いり、ますね」

一応、口約束とはいえ『婚約』という事だ。


土曜日は、翔太は昼過ぎから、日曜日も朝から桜花F.C.という小学校のサッカーチームでコーチをしている。

桜花F.C.の練習は桜花小学校であり、そこは二人の母校でだから実家の近くなのだ。


「連絡しとこうよ、お互いに」


「ええーっと、翔太。本気?」

「本気?ってなんだよ」


「いや、早くない?」

「何が?」

「まだ、その。いつって決めてからの方がいいかなぁ、なんてね」


「...俺としてはさ、こうして週末過ごしたり...してるのになんの挨拶もなしっていうのはよろしくないと思う。京香さんたちに悪いし、颯くんにも申し訳ない」

「な、なに。申し訳ないって」


「そのまんまだけど?」


よろしくないと思う。なんて、何というか、やはり翔太という人は真面目なのだ。

京香というのは彩未の母で、颯くんというのは彩未の兄である。

翔太からしてみれば、颯は憧れの存在だったからそれが根強いのだろう。


「じゃあ、俺からかける」


スマホを手にすると、翔太は実家にかけて

「おれ、日曜日そっち寄るから。話あるからさ」

一言言うと、「じゃ、そういうことでよろしく」と言って切った。


「じゃ、次は彩未な」


「うん、わかった」


彩未は覚悟を決めて、スマホを手にした。

確かに翔太の言うように、こういうことは早く言っておく方が、その先のこともすんなり進みそうだと思ったからだ。


『もしもし』

コール音のあとに応答があり、

「あ、お母さん、彩未」

『彩未?ひさしぶり』

「あのね、日曜日にそっち行こうかと」

『日曜日?いいけど、わざわざ聞くなんてどうしたの。自分の家なんだから』

「えっと、ちょっと話っていうか、人を連れていくって事で」

『いい話ってことね?』

「た、ぶん」

『わかった~、時間は?昼ごはんはどうする?』

「昼ごはんは食べていくから、いいよ」

『はいはーい』


「て、言うことです」

「一仕事したから、アイスでも食べるか」


ちょっとクールな雰囲気の翔太は、クールなアイスが好きだ。

冷凍庫には常備されている。もちろん、彩未も。


「ヤバイな...」

「緊張する?」

「するな...」


マカダミアナッツいりのアイスを開けて、スプーンで掬って食べている。一重の切れ長の瞳と、左目の目尻にあるちいさなホクロと、そして少し厚めの唇が、クールな雰囲気なのに、それでいて色気のある顔立ちの翔太は、なかなかのイケメンなのだ。

しかも、180㎝の長身に加えてとそしてサッカーで鍛えた身体は文句なしにカッコいい。


「ねぇ。私も、翔太のママに会うよね?」

「それは、別にいいんじゃない?知らない間柄な訳じゃないし」


「それはダメでしょ~、遠い訳じゃないし」


「ダメ。恥ずい」

「なんだとぅ」


「彩未の両親に会うだけで、キャパオーバー」

「なる...」


確かに、言うことは分からなくもない。

「じゃあ、その予定でいこっか」


賛成の証にグーをコツンと合わせる。

「「いぇい」」


なんだか騒がしくなりつつある日常。

こうしてアイスを一緒に食べられるだけで彩未はとても幸せ。


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