表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第1話

「ん...っ」


目を開けると眩しく光る太陽と田舎ならではの虫の声、そして真夏のジメジメとした暑さ.....と


「しーくん!!起きなさーい!!!」


うるさいくらいの怒声。


なんで夏休みなのにこんなうるさい声で起きなきゃいけないんだ。

てか、なんで夏休みなのにこんな朝っぱらから起きなきゃいけないんだ。


ドンドンドン


階段上がってきてるし...。

もう少し大人しく階段上がれよ...。


ガラッ


「しーくん起きなさい!!」


「母さんうるさい。もう少し寝かせてよ」


「何言ってるの!!今日はおじいちゃんの代わりに神社にお参りに行く約束してたでしょ!!」


「そうだけど...こんな朝早くから行くわけないじゃん」


「そうにしても、いつもいつも遅くに起きてだらしないぞ!!」


「あー、わかったわかった。起きるよ、起きる」


母さん頑固だから一度言ったらこっちが諦めるまで口うるさいんだよな。

こんな朝っぱらから神社なんかに行ってどうすんだよ。昼でいいじゃん


そんなことを思いながら着替えて下に降り朝食を食べに行く。


ギィ...


この家田舎だから古いんだよな...。一回でいいから綺麗なthe・現代っていう家に住んでみたい。


ガラッ


「おはよう」


「はよー」


こっちをチラッと見ながら挨拶をするコーヒーを片手に新聞を読む父さん。


「ほら、早く朝食食べてお参りに行きなさい」


口うるさいく父さん大好きな料理が上手い母さん。


「私、そろそろ部活行くから」


部活熱心で高3に彼氏がいる中3の受験生の俺の妹の深夜(みよ)


「なんでこんな朝からお参りに行かないといけないんだよ」


そして、何故かじいちゃんの代わりに神社にお参りに行くことになった俺、鑾嶺紫暮(すずみねしぐれ)


「子供のころはおじいちゃんと一緒に毎日、朝からお参りに行ってたじゃない」


「いつの話だよ...。俺もう高校生なんだけど」


「神社にお参りに行くのに年齢なんて関係ありません!」


「はいはい」


子供の頃って...。ほんとにいつの話だよ。

にしても、なんでこんな真夏に神社なんかに...。


まあ、お参りに行って何かいいことがあるかもしれないしな。

行って罰は当たらないだろ。多分


そんなことを思いながらご飯を食べ、歯を磨き出かける準備をする。

準備が整い、また母さんにうるさく言われる前に玄関を出る。


「行ってきまーす」


後ろから「気を付けてねー」という声が聞こえてくる。





だいぶ歩くと真夏の太陽が俺を溶かしていく。

最悪なことに神社まで長い道のりを歩かなければならない。

しかも、神社は山の中にありわざわざ長ったらしい階段を上らなければいけないと来た。

自動エスカレーターでもつけてほしい。


そんなことを考え、神社へと向かっていく。

ドンドン歩くにつれ山が近づいてきた。もう少しで山にたどり着く。


神社の近くに川があるんだよな...。そこは蛍が沢山飛んでいて夜になるとすごいきれいなんだよな。

夜だったらお参りのついでに見に行くけど今は生意気朝だし。まあ、でもほんとは夜だとしてもチキンな俺には神社に行くなんて無理な話だろう。


やっと山にたどり着き俺は上を見上げる。

そこには長ったらしい階段が上まで続いており、ここまで来るのに汗が尋常じゃないくらいでて、体力がもうほとんど残っていない俺を階段が嘲笑っているように見える。


そんなことを考えても意味ないので、早くお参りを終わらせて昨日とっておいたアイスを帰って食べようと思い、最後の力を振り絞って階段を上る。


タンっタンっ


幸いなことに山の中に階段があるため木が太陽を遮り、あまり階段のほうへ太陽の光が入って来ない。

嬉しい限りだ。



「ハアー。やっと着いたな」


ここまで来るのにもう一か月分の体力を使ったようだ。

鳥居の前に来てふと神社のほうに目を向けると...。


「何だあれ?」


古びた刀が刺さっていた。

不思議に思い俺は刀に近づいて行った。


「....なんでこんなところに刀があるんだ?」


何気なく刀を抜き手に取りながらよく見てみる。が特に何も変わったところはない。


この刀どうしようかと悩んでいると突然刀が光り始めた。


「えっ!?なに!?どうすればいいの!?」


突然の出来事に俺が慌てていると...急に意識が朦朧とした。

立ちくらみをし、俺がその場に倒れると頭の中に声が響いてきた。


その声を聞いたとたん俺の意識は途切れた。













「....ありがとう。紫暮」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ