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28話目 辺境迷宮都市を卵さまがいかにして掌握していったのか、また、ちょっとした危機への対応が述べられるくだり

辺境伯統治下の迷宮街を掌握したのち、お家騒動を卵様がいかにして収めたか、また、ちょっとした危機に対応した事が語られるくだり。


 辺境伯爵のお家騒動、非嫡子の伯爵令嬢が相続を放棄、嫡子である兄に恭順の意を示したことで、とりあえず表面上は決着をつける。裏でごちゃごちゃ言っている人材は、速やかにその思考を誘導して、黙らせることにする。街そのものが迷宮となっており、管理者権限を完全に取得しているので、夜な夜な迷宮のメンテナンスデバイスを使用して暗示をかけられるようになったので、これは片手間で済ます。結局のところ支配欲とか、所有欲とか、人より良く見られたいとか、街の発展に対しての貢献とか、突き詰めていくと、自己満足に帰結するので、その辺りを、脳内麻薬の自己作成とかで満足させてしまうと、去勢が完成してしまうという。うん、独裁者にはピッタリなシステムというか、仕様。堕落しそうだけど、まあ、やり過ぎなければいいか?しょせん、いじられるのは自分じゃないし。もっとも、このワタシの思考もまた何者かに誘導されている可能性も否定できないわけで。まあ、今のところ不快に思うところもないし、操られていないことの証明も難しい上に、現状では無意味。思考実験としては面白いかもしれない。まあそもそも、自我が存在するのかどうかという命題から考え出すと、かなり長く思考に時間が取られる気がする。閑話休題。

 状況を物理的に動かして、精神的にフォローして、安定させて、で、ワタシはその合間に暗躍しておく。とりあえず、迷宮のメンテナンスを進める。代々の限定的な管理者では手が入れにくかった場所やら、仕組みやらをのぞいていく。辺境伯居城の離れその一室を大胆に改造して、しかし簡易な制御室を作成。迷宮の核に近いところに作るべきか?とも思考するが、ネットワークが物理的につながっているのでまあ、場所はどこでもいいか?と判断。部外者を立ち入り禁止に。このあたりは、ご令嬢の威光やら、辺境伯の采配によって、身分を保証されているのが大きい。客観的にみてかなりあやしいとは思うのだけども。ちょっと内政とか、街の機能の補充とか、不自然でない程度に関わっておく。人間による、管理運営側にちょっとコネクションを作成しておいて、不信感を和らげるように。まあ、最終的には暗示で補完。荒唐無稽な存在よりは、身近に感じられる存在として側にいると思わせた方が、暗示の労力も少ないし。


街の人には敵はいなく、人の外の脅威は、卵様にとって脅威ではあり得なかったことについて語られるくだり。


 迷宮の本能に任せた管理が長年行われていた結果、かなりの大物が迷宮に住み着いているらしい。でその制御が難しくなっているとのことが調査の結果解ってきた。迷宮採取狩人組の被害もなかなか大きくなってきたので、どうにかこれを狩る必要があるのではないか?という話が迷宮管理組合から上がってきた。ちなみに、この迷宮管理組合的存在は、おおよそ文明圏での、格迷宮ごと単独で存在しているものの、横のつながりもそこそこあったりする。迷宮はその地方地方で特色があるものの、基本その成り立ちやらシステムは同じで、各種問題点とそれに多対応するノウハウもおよそ似通ってくるので、それらの対応をデータ化して、マニュアルに落とし込むような対応が広範囲で取られているとのこと。

 その際、情報の伝達などが問題になるのだけれども、格迷宮都市を連携するように国家が設立されており、その国家単位で情報の伝達、魔法によるものや、人的な移動による報告書のやり取りなどで、フォローされているよう。国家間も緩くつながっているので、緊張状態に無い間柄なら、情報のやり取りは結構問題なくされている。距離の関係で情報の拡散速度は遅い、と表向きはされているが、どうも、いくつかの迷宮都市間で秘匿されている、裏技的な技術があるのではないかと推測される。情報がほぼ瞬時に伝わっている箇所もあるよう。この辺は、手足にした人材が調査中。

 基本、いわゆる"ひと"に敵対する生物が多い世界であるので”ひと”同士の諍いは少ないか、規模が小さくなるよう。管理されていない迷宮もまた世界に多いので、物理的時間的に"ひと"同士が争う余地が少ないという、身も蓋もない理由で結構世の中は平和、らしい。

 で、その危機の中に、迷宮にて、手に負えない敵性生物か出現するというものがあり、今回はその対応。基本討伐というか、害虫駆除となるわけだけれども、その気になれば管理者権限で迷宮そのものに働きかけて駆除することも可能、区画を閉鎖して、致死性のガスでも流し込んでやれば問題ないのだけれども、コストが見合うか?というと微妙。そもそもその敵性存在が放出する魔法の粒子が迷宮を維持する餌となるのであるし、その生物が喰い散らかした他の生物の残滓からのエネルギーもまた必要とするもの。しかるに、生態系を破壊するほどにも成長したその個性的な存在であるなら、これは確かに厄介な存在であるし。

 迷宮の本能に任せるなら、このまま放置か?採取狩猟組の被害は、短期的にみると栄養が多く手に入るということだし、ああでもそもそも迷宮に入る人が少なくなったり、いなくなったりする可能性があるわけか?驚異的な敵性生物のテリトリーを避けての作業をするとかも可能か?

 そもまま放置すると、迷宮内の食物連鎖バランスが崩れるかな?外部からさらに対抗種を導入するという手もあるけど、そうするとますます人が対応できなくなるかも?

 迷宮採取狩猟組が入らないと、生態系の適切な間引きがし辛いか?というと、まあ、完全に制御しているのでそれほど問題が無いのだけど、社会的な、経済的な点でみると、迷宮素材をもとにして経済が循環しているので、それをいきなり閉じるわけにも行かない?こともないか?別に人がここに存在している意味は無いのかな?……人的財産を放棄するもの勿体ないか?

 つまるところ、”ひと”の出入りやら、その損失やらもリソースとしてカウントしていくというわけではあるのだけれども、それらの制御ができるかというと、これもまた難しい。規制を緩和して自然な流れに身を任せておくのがよさそう、面倒じゃなくて。直接手足にして管理するという手もあるのだけれども、非効率?結局のところ思考の硬直化を招いて、停滞するのが見えるし、そもそもワタシがつまらない。というか、そこまでして管理する意義が見出せない?安心して引きこもれるなら思う存分引きこもるのに、なんというか、この世界はバランスが悪い。

 強大な力を未熟な知性体が振り回しているみたいな、何を握っているのか解らない子供が、致命的なスイッチを振り回しているような。知ってしまった以上気になって引きこもれない。この星がどうなってもいいような場所に引きこもるのも手なんだけども、完全に周囲が無になった状態で活動するのもつまらない気がするし、そもそも頭に刻まれた知識やら行動原理やらが、積極的に動けと私を狩り立てる。働きたくないなーという思考これは、あちらの世界から引きずってきている人格の思考だろうか?どれだけめんどくさがりやだったんだろう?

 少しずつ、迷宮を閉鎖していくのも手か、休眠状態にしてもワタシ一人の利用なら充分なエネルギーもある。まあその辺は、各地に散った情報探索手足の調査待ちか?当面は、その危機的敵性存在をどうにかしようか。問題が顕在化しているので、さくっとこちらで消すと違和感がありすぎるから、配下の者をつかって、まっとうに、正面から、攻略してもらおう。あー、戦闘経験の蓄積も兼ねて、猫耳少女(肉体改造済み)に行ってもらおうかな。辺境出身の獣的因子を多く含んでいる、戦士の一族で、先祖伝来の異質技術がてんこもりな魔法の武装を所持しているという形にすればそれほど目立たない……ことはないけど、まあ、いちおうストーリーは作れるはず。

 

 さっくり、迷宮管理組合にスノウさんを送りつける。連絡用に雀型の通信デバイスをつけておく。なくても、「ここ」は管理迷宮下なのでどこからでも把握できるのだけども、一応、外との連絡ができる魔法の眷属という、設定、つまりは偽装の意味合いで、雀をついていかせる。容姿が幼い10代前半の美少女であることで少し悶着があったものの、組合のカウンターを片手で持ち上げて笑みを含めて、少しお話したら、あっさり許可されて彼女はタグを手に入れられる。作業の片手間にその様子を眺めて、ちょっと笑う。結構性格が過激になってきたかな?いや、無邪気だからこそ?

 スノウさん、私謹製の鎧を着込んで、迷宮の地下へと侵入。色々まわりから、心配やら下心やらで先輩採取狩猟者から声をかけられるけど、無邪気な笑顔とそれ故にキツい言葉で切り捨てる。鎧がまるで着ぐるみのようであってそれに驚いている周囲の人々、それに対して気にもとめず、むしろちょっと誇らしげに歩き、そして、迷宮の入り口ホールで、巨大なハンマーを軽く振って、出陣。


 そして、迷宮内での蹂躙状態へ移行。

 ある程度、相手の強さが判断できる知能のある生物はその前に道をあけ、そうでない乏しい知能やら、本能のまま生きる相手やら、常識で相手を見るような半端に知能のある敵性生物やらが、目の前に立ちふさがる、もしくは、不意をつこうと、周囲から襲いかかるのを、無造作になぎ倒し、壁や床、天井の染みへと変えていく。うん、この状況、少しぬるいかも知れない。むしろ、単独ではなくて、足手まといとして、複数人と組ませるべきだったかもしれない。

 天下無双状態、まさに並ぶものがいない。いや、配下の手足やら、新しく雇った傭兵たちならなんとかなるか?装備次第か?出発地点の休眠状態中の迷宮側の村、その戦闘隊長的存在である、彼女の父親とか母親、それを改造して、装備を整えて、なんとか左右後方へ追従できるくらい?


 で、最近定着した戦闘力の高い敵性生物に出会う。

 瞬殺。

 群体として存在する、ムカデのような昆虫の集合体を、大規模な爆発物で一息に燃やし尽くす。

 ムカデ型群体生物は、個々の硬度もそこそこで、ふつうの鋼では歯が立たず、魔法も分散することでいなすことができ、そもそも生半可な攻撃では倒れないタフさをもっている。牙や爪には毒があり、かするだけで身体にしびれがでて、いずれ死に至るという、なんとも強敵設定であったのだけれども、まあ、しのげないほどの熱量を広範囲に叩き付ければ問題なしということ。なんだけど……。

 ワタシは、迷宮内の換気を慌てて指示。スノウさん自身はその身にまとった着ぐるみ式の鎧、全天候型環境スーツ装備込み、によって問題ないけれど、熱風と、衝撃で迷宮内がひどいことになりそうだったので。

 やはり、他にか弱い生物がいるということに対しての気遣いやら、環境に配慮、とか、少し教育が必要なよう。戦闘力は文句なしなんだけど。

 

 まあ、ともあれ、些細な危機は乗り越えたというか、吹き飛ばしたと。ちょうどそろそろ各地へ派遣した手足からの情報が届き出してきたし、まあ、よい時間の使い方であったとしよう。反省して次に生かすところは多いのは仕様。

 装備を渡したり、手足にあたる分には肉体改造も済ませたりして、移動にあまり時間がかからないようにしていたことを考えても、結構早く情報が戻ってきた。雀を多く辺境伯爵迷宮都市に呼び、維持管理できるようになったのが大きい。

 平行して雀の機能を強化して、電気的な信号のやり取りもできるようにする。コストはあまり変化なく、電気の振る舞いも、あちらの世界とそれほど変化は無いよう。デジタルで処理しているので距離による劣化も少ない。

 衛星を打ち上げるまで、これでしのげそう。問題は燃料であるけど、作成した手足やら雇った傭兵やらからの、魔法の粒子で補充が可能なように仕組みをつくっておけば問題なかった。やはり、魔法の粒子を生むことができるリソースを増やすと、やれることが増えるなと。


 雀達に燃料電池を組み込んで、それの電気分解術をさせるという手もあったけど、知識の流出の危惧と、そもそも、呪文に対するの生態的な制限?に引っかかって、傭兵たちには使用できなかったよう。ただ、ワタシの手足には問題なさそう、それは、ワタシへの依存度の問題か、まあ、ある意味手足はワタシの一部みたいなものだし、そういう理屈なのか?この辺りは要検証のこととする。


 さて、ともあれ、情報を整理しはじめよう。世界はどうなっている?

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