26話目 辺境お家騒動、武力衝突の結果と、いささか倫理観が問われるかもしれない方法で手足を確保する方法について、語られるくだり
卵様が、辺境伯お家騒動に関して行われた小競り合い(過少表現?)の後始末をしてのけるくだり
さて、ワタシはモニタへと最後の指令を打ち込んで、状況をまとめあげて、終了させる。終わりをきちんとさせておかないと、次に使う時に立ち上げに苦労するので。画面を切り替えて、辺境の戦場、先ほどまで、辺境伯非嫡子のお嬢様勢力と、正当後継者である息子さんの勢力がぶつかり合っていたところの、現実の空間を写してみる。そこには、緑色のゼリー状の物体に包まれて、意識を手放している双方の手勢と、それを監視していた、上役?上位組織の斥候が存在していた。
認識阻害の霧を利用して、隣りの人間が眠りに落ちて、緑色のゼリー状の物体、迷宮のメンテナンスデバイスに取り込まれて行くのを不思議に思わせないようにして、効果範囲に入ったらば、順番に取り込んでいく、そして、意識のみを切り離して、迷宮の機能を使用した、仮想の空間、辺境の戦場を忠実に再現した、ものに、双方を放り込んで、擬似的な戦闘を行って頂いたわけである、当然、参加する人数とタイミングがそのままではズレるので、参加予定の人々が全て取り込まれるのを待って、時系列をこちらのパラメタ修正で調整して、戦闘を演出してみた、というわけ。基本こちらからの介入はなしで自然な流れでどういう結果になるか見てみたわけであるけども、予想に反して、双方全滅ということとなる。というか、令嬢側の坊やの魔法が規格外であったわけで。ただ単に取り込んだだけで、それぞれの能力はそれぞれが、実際にその疑似空間で使用してくれないと、どれだけのスペックがあるのか解らないという、仕様が、予断を許さない。
この迷宮デバイスによる疑似戦闘空間、あくまでも、本人の意識のみを出力として、行うので、勝手に頭の中の考えを読むとかいうことは出来なく、記憶を直接覗くということもできない。本人のこうしたいという気持ち……脳から出る信号を途中でインターセプトして、疑似空間へ出力しているという仕様、魔法なども、実際に粒子が動く兆候をセンサで察知して、解読適応していくという。そもそも、疑似空間では、時間を少々巻き戻したり、一旦停止する、ことも可能であり、初見の魔法でも、有り余る解析能力と外部入力デバイス、この場合はワタシのこと、規格外の観察力と洞察力をもつホムンクルスによって、解析を行って、ほぼ現実と変わらない様相で再現してしまう。
とうぜん、計算能力というか、処理能力がとてつもなく必要になるので、迷宮に直結していなければ、出来ない力技ではあるし、いろいろお膳立てが必要であるので、ほいほいと使えるてでもないのだけれども、まあ、無駄に人材資源を消費することもないかな?ということと、一度テストしてみたかった機能ではあるので、この際実験を行ってみたというのが今回の現状。
さて、双方全滅ということで、本来なら、全員死亡しているわけだから、これからの余生?はワタシの好きにしても良いよね?もともと双方の被害者を全てリソースとして確保しようとしていたのだから、全滅してしまったのは僥倖、ラッキーということ。ちょっと舞台を変更して、お話して雇用してみよう。脅したり、洗脳したりして、都合の良い手駒を作ってみようと言い換えても可。
この世界であの世とか、死後の世界というものはどういうものなのだろうか?少なくともこれは無い、と断言するような令嬢戦力側の状況が語られるくだり。
とりあえず現実における彼らの肉体をまとめて、隔離しておく。監視用に送っておいた、雀達と、猫娘さんをこちらに呼び戻して、一緒に指示しつつ、近くに作成しておいた、迷宮直轄の広めの洞窟、街道から少し離れたところにあるそこに人員やら、騎馬やらを移動。メンテナンス用デバイスが器用にうにうにと動きつつ、中の人を運搬、コンパクトに詰めて、配置。肉体の代謝を押さえつつ、維持してもらう。現実世界で少し時間が必要なので、その間の肉体維持を指示しておく。まあ、1日では終わらないかな?でも2日はかけたくない。
このメンテナンスデバイスによる肉体保護は、エネルギーが続く限り結構な長さで維持が可能。具体的には年単位で眠らせたり、仮想空間で遊ばせたりできる優れもの。各種兵装開発主任のメモによると、理想のハーレムを作って、閉じこもって出てこない隊員が発生したそうで、扱いには注意が必要というものがあった、それはそれで、幸せな人生ではないのかな?とは思う。結局どうなったのかは書かれていない、もしかしたら、どこかでまだその世界で夢にひたっているのかも知れないと考えると、怖いかもしれな、まあ、そっとしておくにこしたことはないか。そもそもこの状況、私がホムンクルスに転生しているということそのものが、夢であるかもしれない、作り物であるのかも知れない、と考え出すと、思考がループしてくことになるので、ここは、良い意味で思考を停止しておく。まあ、仮想世界上でさらに仮想世界を構築できるかと言われれば、出来るだろうなとも思うので、可能性が無いわけではないのだけれども、結論としてはどちらでも良い話。ワタシはワタシの趣味に生きつつ、状況を確認して、さらにどこかへと進めばいいのであり、最終的には楽しんだもの勝ちであろうと。そもそも意識に主体が存在するというのがすでに幻想であるのであって……思考が明後日の方向へズレていきつつも平行して、作業は進む。
死後の世界に対する基本的な認識は、上位機関からのエージェントである吟遊詩人に扮した密偵、斥候?の青年からの聞き取りが終了している。一応、死をつかさどる神のようなものもいるらしい。基本的には、輪廻転生の概念やらもあるし、また逆にそれは無いという派閥のあるらしい、実際のところは解っていないし、死者蘇生の実例のあるようだけれども、ほとんど仮死状態からの復帰、その朦朧とした意識が見せた夢幻である以上の精度は期待できない。完全な塵からの復活もあった様だけども、それは、ほとんど別の生き物、個人として、全ての事象に干渉できる粒子が作り出した、別個の人格である可能性が高い、本人に良く似た、何かが作られたような結果だったらしい。記憶の断裂が見られるうえに、意識もはっきりとはしていなかった様で、同一個人だと証明が難しいとのこと。ちなみに、復活したとされたのはとある宗教団体の教祖さまらしい、この情報そのものが機密扱い、彼が知っていたのは直接調べたことがあったからだそうで。
今回はそういう、魂が行き着く場所への旅路、それを途中で取り上げていたぶられるいたいけで矮小な人類というコンセプト。取り上げたのは、偉大なるものとか、その姿形は見るものによって千差万別であるものの、生き物としてもつ根源に存在する恐怖やら、畏怖やら、狂気やらを無理矢理視覚化したような存在に見えるように調節。それがでんと鎮座する前に、巫女として、猫耳少女、使えるものとして卵さまが、不可思議な文様の衣装をまとって控えているというビジュアル。
まず、背後に鎮座する異形、恐怖の象徴、狂気の存在によって、心を折ります、もしくは激しく揺さぶります。ちなみにその醜態を晒すことで効果的に心を壊すことの出来るような組み合わせで、面接のグループ分けをしておく。具体的には、お嬢様と少年騎士団長と、タイミングを見計らって、出す騎士団のお仲間、古参のものとか。ちなみに、無力感を演出するために、衣服は表示させない、し、裸体に鉄の首輪やら、拘束具やら、アクセサリは満載。自由に他の人間に触れられないようにする工夫も大事。ビジュアルで心を揺らして、催眠と誘導尋問で、罪をあげつらわせつつ、なぜこの場所にたどり着いたのかを説明する、卵の怪人の口から。
曰く、この辺境の地には、狂気と恐怖を体現する偉大なる御方の欠片が眠っており、少年騎士団長の最後の技により、まどろみより目覚め、死の領域に向かう魂を捉えたと。眠りを阻害する、不快な羽虫を無意識に捉えたと。安眠を妨害した罪を問う、とう流れ。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、にダイレクトに恐怖と狂気を感じさせるよう計算された、情報を送り込み、圧倒的な存在に対する無力感というにもおこがましい何かを心に植え付けさせつつ、それぞれの罪をあげつらっていく卵型の何か、そのそばに立つ神秘的な雰囲気を放つ、猫耳少女。
少年騎士団長が行った、最終奥義というか自爆技に対して、身内からの冷たい視線というか、怒り狂った憎悪を増幅したり、最初から捨て駒として使うつもりだったのだと、暴露されて、怒りのあまり悶絶してしまう、若い騎士団員を見せつけたり、じつは辺境伯ご令嬢、最期の最後で裏切るきであったと暴露させて、不和を演出したり、それほど慕われていなかったとか自分だけは助けて欲しいとか、少年騎士の古参の部下に叫ばせたり、色々細かく、それぞれの醜い感情を吐露させて、精神を削っていく、そして最後にそのような些細なこと、この偉大なる御方の前には塵芥程度にも存在しないと同じと、圧倒的な狂気で塗りつぶして、無力感に包ませて行く。で、ぐったりと、というかひくひくと痙攣している、鉄輪などで拘束された、全ての希望やら、存在やらを否定された、肉塊に新たな使命やら、すがるものを与えるという感じで偉大なるものの存在をすり込む、具体的には、それを意識することで、罪の意識をなくするとか、ストレスを消すような暗示をすり込んでいく。繰り返し、繰り返し。なに、肉体的な欠損やら、痛みにともなう無力感やら絶望感やらは、かなり好き勝手に行うことが出来るので、強情なものでも簡単に屈服させることができた。だいたい、肉体を消滅させたように感じさせても、データ状のことなので、復元が容易。現実世界では味わえないような苦痛が、延々と得られるという、その手の趣味のお方には垂涎であろう状況であるので、少々趣味にはしってもしかたはないことではないかな?と、趣味?悪趣味なのは、どちらの人格がもとなのか?今更だけど、猫耳少女の目には毒だったなあと。まあ、年端も行かないような少女の目の前で陵辱される美青年とか美中年とか、美少女とか淫靡で背徳的で効果的ではあるのだけれども、あとでフォローはしておこう。まあ、結構冷徹に見ているのは、ワタシに対する信頼感とかそれを突き抜けている何かの存在が芯に一本通っているからだと思うけど。
で、この辺境伯庶子ご令嬢側がこれで取り込んで完全に、洗脳して手駒にしよう。直接センサを肉体に埋め込んで、人型のパスファインダーに仕立ててしまおう、ちょいちょいと現実世界の肉体も改造。自爆装置付きなのは完全な趣味。ご令嬢の能力も色々と聞き取れたし、少年騎士団長は戦力としてはまあ、そこそこ、運用次第、その古参の部下の戦闘能力や諜報能力、それに連なるし知識も有用、良い買い物でありました。拾い物か?
新たなる雇用の創出にかんして、イノベーションが、レボリューションしていくようなそんなニュアンスのニューマターであるところの、何が言いたいのかすでに解らなくなってきたけれども、ともかく、辺境伯ご令息が抱えていた私兵に転職を促す下り。
でんと、狂気と恐怖の固まりであるところの、御大を鎮座させるところまでは同じ。場面はその御前に控えるように立つ、錫杖を持つ魔法使い風の装いの卵様と、騎士風に金属鎧を着込んだ猫耳少女、舞台はどこからか金管楽器の音が聞こえてくるような、謁見の間。迎え入れるのは、私兵団の団長、副団長以下、主立った幹部数人。そして、始まる現状認識。曰く、あなた方はこの狂気と恐怖の御大であるところの偉大なるお方の、欠片の上で、這い回っていた羽虫にであり、たまたま世界の禁忌に触れるような魔法によって、空間が揺れ、まどろみのなかから御大が目をうっすらと開けた状態である。そして、羽虫であるところの吹けば飛ぶような意識の集合体、情報の固まりであるところの、いわゆる魂が、正しき道筋にのらず、御前に引っかかっているというのが、現状であると。副団長が尋ねるに、それでは我々は既に死んでいると?確認するにあたって然りと返す卵の魔法使い。そのまま、話を続け、これからの選択肢を示す。ひとつ、このまま御大がまた眠りにつくのをまって、正常な道筋に進む。ふたつ、この偉大なる御方に帰依して、この現世とも幻の世ともつかない世界で永遠に生き続けるか?この二つのうちどちらかを選ぶことをお勧めする、すくなくとも、これ以上悩むことはなくなりますよと、囁くようにしかししっかりとねっとりと耳もとで語るように、卵の魔法使いが言う。
そのどちらも選ばないとすると?言い方からすると、まだ選択肢がありそうだね。と飄々とした表情で、おそるべく事になんとも強い精神の持ち主であろうか!団長が言う。と卵の魔法使いはニヤリと笑いながら、それは苦難の道なれど楽ではなく享楽と狂気の道なれば!浪々と歌うように言い放つ、その道とは、現世へと、この偉大なる御方の影を背負いつつ戻り、過酷な現実と一戦交えるということ、自らの存在が塵芥にも満たぬと認識したうえで、それでも滑稽なまでにあがくという生き方を選択するということ、人はそれを愚者と呼ぶか、狂信者と呼ぶか、深淵を覗くものと呼ぶか、はたまた無謀なる者と呼ぶか、千差万別、奇々怪々、丁々発止の冒険譚が生まれるかもしれず、辺境で朽ち果てる狂人がただ増えるのみかもしれず、まこと興味深いと同時に塵芥の今後などどうでも良いとも言える。
団長曰く、塵芥、羽虫にもまあ五分の魂はあるもんで、生き返れるってなら、のる連中も多いと思う、ていうか、全員連れ戻す気ではいる。ちょっときりっとした表情の団長さん。まあ、連中なら難しいことは解らないけど、酒と女と金があれば満足じゃないかね?副団長が呆れて言い放つ。
卵の魔法使いは大きな声で笑いだす。面白い、これも縁だ、お前たち、事情を効くと現在の雇用先に不満を抱えているようだな。顔を見合わせる幹部連中。どうだ、ちょいと狂気と恐怖の御大、その欠片の陣営に鞍替えしてみないか、これでも結構ワタシは世俗に通じているほうではあるが、瑣末な人の世のことには疎くて、細かい作業のできる、自分で動くことのできる手駒があってもよいと思っていたのだが?
ほう、では報酬と、待遇の話を詰めて行こうではないか。ところで、ここでの書類仕事は生き返っても有効なのか?団長が問う、卵の魔法使いはまた、大きく笑う。
それを、奥から、恐怖と狂気を象徴する何かが見ている。徐々に休眠状態に移行するような演出をしておく。
主義主張がビジネスライクな集団の方は柔軟な対応を期待して、そのまま雇用する形態へとしていく。これで、使い潰せる手駒と、長期雇用を念頭においた戦力が確保できたわけで、さて、とりあえずとっかかりはできたかなと。さて、これからどうするかなと。




