地獄への片道切符
7.
さて、彼女の話は全ておわった。今まで小難しい話を一方的に聞いていた為、疑問に思っていたことを質問してみることにした。
「なあ、助けてくれっていうけどさ、具体的に俺はどうしたらいいの?」
「…ダイには、シード感染された生命の救出と、シード汚染の激しい生命の駆逐?をやってほしい。…まず、フォレスターのシード汚染を解消できたら、上の階層の汚染を解消していく。最終目的は…エデネアの奪還。私は、ダイのサポートをしながら、…シードへの対抗手段を考える。」
なるほど、分かりやすい。順々にステージ攻略をして行き、最終ステージのエデネアをクリアすることでハッピーエンドってわけだ。神様にしてみたらゲーム気分では困るだろうけど。因みにシードを倒す方法を聞いてみたら、協力してくれたら教えるって言われた。ケチめ。
「命の危険はあるんだな?」
「…ある。」
どこか申し訳なさそうな顔をして言う。…まあさっきのシードの話を聞いていれば当然といえば当然だと思う。
「…じゃあフォレスターにはどうやって行くんだ?あのゲートで行くのか?」
「そう。ゲートの座標設定をフォレスターにすることで行けるようになる。」
「入るだけで直ぐに着くのか?」
「そう」
…異世界ってのは思ったより簡単に行けるものらしい。
「じゃあ、フォレスターに行っても直ぐにこの世界に帰ってこれるんだな?」
「それは…出来ない。」
「出来ねえのかよ!?何で!?」
「シードの干渉はもう既にアースのごく近くまで迫ってる。…これ以上ゲートで世界間の穴を開け続けたら、アースにシードの潜入を許すことになる。この1回でも…もう限界に近い。」
…なんてこった。つまり、俺がフォレスターに行くことにすれば、俺はもうこの世界には、少なくともシードがいなくなるまで帰ってこられないことになる。…まさに地獄への片道切符。多分、親や友達にもう二度と会えない可能性も高いだろう…他の良い魂を持った協力者達も失敗している訳だしな。失敗するってことは…多分死ぬか、死ぬより酷い目にあうんだろう。
「…勿論、無理を言っている事は…承知してる。でも、私は、ダイの協力が最後のチャンス…だと思ってる。どうか協力して欲しい。」
…。
「…一日だけ、考えさせてくれ。」
「…分かった。ただ、事態は一刻をあらそう状態。明日、ダイが同意してくれれば、直ぐにフォレスターに向かいたい。もしも、一緒に行ってくれるな、明日の午前0:00までに支度、しておいてほしい。一日良く考えて自分が正しいと思う選択を…して。」
俺は、どうすればいいのだろうか。