表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
朱雀と弟  作者:
第三部  母なき子よたりいつたり集ひきてあひ惑はんやしあわせ探し
80/175

22-1 いと、たへ難しや!

二十二.胡蝶

「お前なんかに会うためにわざわざ来るわけねえだろ。

早く見せろよ」

いと、たへ難しや*―!

蛍は思わず叫んだ。

「さわぐな」

光がにやにや笑う。

庭のお池に舟を浮かべて、秋好中宮に春を見せる饗応だった。

まあそれもこれも、すべては玉鬘のためだけど。

光が妙齢の娘をかしずいていると聞いて、思惑どおり

飛んで火に入る春の雄

浮ついた君達どもがほいほい寄ってきた。

その筆頭が蛍兵部卿宮

三十代でもまだまだ現役らしい。

「ほーたーるー、なぜ鳴くのー」

「ほたるは鳴かねえし」

「そんなに会いたい?」

「そりゃ会いたいわ」

「じゃ土下座して」

「絶対やだ」

 紫の故に心をしめたれば淵に身投げん名やは惜しけき*

光の娘なら、俺とも縁の人だろ?会ってもいいじゃん。

蛍は貴族らしく歌をよんだ。

「そう?じゃ落ちてきて」

 淵に身を投げつべしやとこの春は花のあたりを立ちさらで見よ*

一人くらいなら沈めるよ。

光がくすくす笑って庭の池をさす。

「てーめー」

蛍はいらいらしながら、でも帰るのも惜しくて、光邸にお泊りした。

「馬鹿おやじどもが。年甲斐もなく浮かれやがって」

夕霧だけは、春も相変わらずのクールさで眉をひそめる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ