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朱雀と弟  作者:
第三部  母なき子よたりいつたり集ひきてあひ惑はんやしあわせ探し
77/175

21-1 三十六歳期

二十一.初音

「ゴール!」

「ゴールじゃないでしょ!」

蛍が手をあげるから

夕霧はいらっと叫び返した。

「ちゃんと蹴り返せるように蹴って下さいよ、蛍さん」

「お前らが俺についてこれないのがいけないんだよ」

蛍がうれしそうに鼻を鳴らす。

「だらしないなあ。まだまだ若いもんには負けんぞ」

「その台詞がすでにおやじだわ」

夕霧はぜいぜい肩で息をした。

転がった鞠をやっと取ってきて、息がはあはあしている。

「シュートとかしないで下さいよ。蹴鞠だって言ってるでしょ」

「何言ってんだお前。都は遅れすぎてるよ?俺は、正月といえば

天皇杯の決勝って言われる世にしたいの。もう来年から冷泉杯

開催するから。俺冷泉さんにかけあって、了解とってあるから」

「何?!」

「これからは俺がびしばし鍛えてやるから、覚悟しろよ。

リフティングだけじゃ勝利への道は遠いぞ」

蛍は言いながら、また鞠を蹴る。

「おー、柏木ナイストラップ」

その鞠をノーバウンドで受けたのは柏木だった。

「親父に鍛えられてますから」

柏木は、にこっと笑って前にパスする。

「夕くんも柏木見習え。ほらサイド上がれー」

「どんだけやる気なんだよ」

鬼コーチにつつき回されながら、夕霧は嘆息した。

もう、冷泉さんも冷泉さんだよ

蛍さんと気あいすぎだろ

ふたりしてすぐ悪乗りするんだから。

御所の前庭で、鞠による元祖天皇杯開催する気らしい。

「もう何なんだよ、正月早々…」

夕霧ははあはあしながら、それでも皆と一つの球を追った。

普段あまり走らないから、たまにはいい運動になる。

そう、今は正月だった

光三十六歳

ここから怒涛の三十六歳期に入る。

三十六歳の一年間に七章かけるという充実ぶり

それだけこの年がいろいろあったということらしい。

夕霧十五歳

数え年とはいえ、もちろん反抗期真っ盛りである。

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