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朱雀と弟  作者:
第一部  同じかと思ひにけるよふる夢は君がひかりに消さるまぼろし
32/175

9-4 私で上書き

朱雀は眠っていた

夜の御殿に練絹かけて

すやすや

胎児の姿勢

そこへそっと近寄る者があった

衣ずれも軽く

若く美しい女


んー

朱雀は寝返りをうった

かすかに開く口

それをキスでふさいで、女は両手もとらえた

……ん??

なめなめされて

ようやく朱雀も目がさめてきた

あ、あの…

動けずに、すこしじたばたする

女のキスは長かった

甘くて、薔薇の香りがした


「んー…」

うるんだ瞳が重たげに開いて

ねおきに弱いようだった。

頬もすべすべ、少年みたい。

「あの…あなたは…?」

おっとりきくので、思わず笑んでしまった。

危機管理しないのね

私が刺客なら、とっくに殺されてますよ。

「朱雀さま、私と寝てください」

女は彼の名を呼んだ

胸に頬をすり寄せる。

朱雀は困ってしまった

「でもあなたは、光の…」

それを言わせまいとして、女はまた口づけした

キスのすきなひとらしい。

そんなに長くされたことがなくて

朱雀は失神しそうにくらくらした。

「あの方とのことは事故ですの。

私本当は女御にしていただきたかったですわ」

女は手際よく朱雀の帯をといた。

「奥様方とは寝られますの?」

「はい、まあ」

「交替に?」

「そう、ですね。同じくらいに」

「私も仲間に入れてください」

女は朱雀の肌に手を入れると、すべすべさわった

朱雀がすこし、びくりとする。

「私が怖いですの?」

「いえ、ただ…すこしびっくりして」

「男の方はいつもこうして女を襲いますわよ」

「そう、なんですか…」

朱雀は申し訳なく思った。

暗がりで、誰ともわからぬ人にいきなり襲われたら

さぞ怖いだろう。

女の言の真偽も定かでないのに

朱雀はすっかり信じて反省している。

「私を愛してくださいね。どなたと寝ても、私を最後に」

女は自分も脱いで、男にかじりついた。

思ったとおりだわ

やさしくて誠実そうな方

反応もたおやかで、彼女の好みをついている。

つねに上書きしたかった

どんな人と寝たって、最後は私を抱いて

最新の私で上書きしたい

上書きされたい。

朱雀はまだ戸惑っていた

頭まわらなくて

まだねおき

女はどんどん進めた

先手必勝

最新の遊びでおもてなしする。

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