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朱雀と弟  作者:
第四部  借り物を返す旅路のはじまりにさしのべらる手二度と離たず
131/175

32-7 次の次の帝

光四十一歳の弥生、姫君がたいらかに子を出産した。

しかも男の子。

「これは次の春宮にするしかないね」

つまり、次の次の帝ということで。

光、むふふと嬉しそうに笑う。

大将の、あまたまうけたなるを、今まで見せぬが、恨めしきに。*

「夕霧が子どもいっぱい作るんだけど、ちっとも見せてくれないん

だよ。ひどいよね」

光は若君を抱いてよしよししながら言った。

実はこれ、去年の正月にも言っていた。

髭黒の子(二人目)を見せにきてくれた玉鬘にぽろり。

今は娘にぽろり。

「だって仕方ないだろ、紫式部俺に全然興味ないんだから」

夕霧はぷんとそっぽをむいた。

たしかに雁出産の記述は毛ほども出てこない。

「ひどいな。大切なことだから二度言ったんだよ。これは相当見せ

に来ないってことでしょ」

「もうすこし大きくなったらね」

「えー今すぐー」

「うるさい」

すっかり幸せな祖父づらしてる父に、軽く悪態ついている。

「ご出産おめでとうございます」

冷泉帝からも産養いのお祝いが届いた。

山にこもった朱雀に頼まれ、その分までことづけてくれる。

「兄貴にも見せてやりたいなあ」

光は微笑みながら、孫の頬を撫でた。

この子はもちろん朱雀の孫でもある。

その頃朱雀は、父のこと、葵のこと

それにまだ生きてる三宮と柏木のことも祈っていた。

紫さんの無事も祈って。いろいろ欲張りに祈る。

どうか皆が幸せになりますように。

夕霧や光がいてくれるとしても、不安がないとは言えなかった。

未来が台本どおりなら

孫が生まれたこの年いよいよ

柏木が、その懊悩の発端となる三宮垣間見をすることになる。

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