朝の習慣 楽しい予感
何のことはない平和な光景。
そういったものは、平和な世の中にいる我々だからこそ、大切に思えない。
なら、それを大切だと思いたければ、旅をしなさい・・・。
そういったのは、誰だっただろうか?
私の母?私の父?それとも、あなた?
「・・ん」
朝。外から聞こえる鳥の鳴き声が自分の意識を覚醒に至らせた。
寝起きの少し寝ぼけている頭で時刻を確認してみれば、現在午前の五時、かなり早い時刻である。季節的には春と夏の中間ではあるが、人によっては少し肌寒いような、ちょうどいいような、そんなすがすがしさがある。
まぁ、自分はいつもこの時間に起きるんだけどね。
そう思いつつ、ベッドを出て体を伸ばしつつ、いつもの習慣である朝の散歩に出かけるために、同室で寝ている奴を起こさないようにしながら、散歩用の服に着替える。
寝ている彼は昨晩彼女と一緒に酒を多量に飲んでいて、自分が泥酔していた二人を部屋に連れてきたぐらいなのだから起きないだろうと思いつつ、
汗をしっかりと吸い取ってくれる白の木綿のシャツに、迷彩色の木綿のカーゴパンツを着る。ミリタリー風だが、とても動きやすいのでお気に入りの服だ。
ベッドのそばに置いてあった携帯音楽再生機をもって、いつものように部屋を出る。
そういえば・・
ふと、隣の部屋で寝ているはずの彼女のことが気になった。昨晩の泥酔ぶりは、ちょっと危険だったからだ。なので、彼女の様子を見るためにそっちの部屋に入る。
ドアを開けてまず目に入った光景は、床の上に脱がれつつも丁寧に畳まれた服。
もっとも、これは昨日の段階でもあったので気にしない。
自分の目的である彼女は、ベッドの上で寝息を静かにたてながら気持ちよさそうに眠っていた。暑かったのか、布団を横に押しやりつつもであるが。
とりあえず、大丈夫そう。
いつも通りの姿を見て安心しつつも、持っていたペットボトルの水を机に置いていき、
ついでに「酒はほどほどにね。」と書いたメモを置いて、部屋を出る。
さて、今日はどんな曲を聴こうかな?
そうして廊下を歩いて、階段を降りて、一階の酒場を突っ切りながら外に出た。
自分たちが止まっていたモーテルは、地下一階と一階が酒場でそれより上が宿泊可能な部屋となっている。
流石にこんな朝早くからは酒場はやっていないな、と思案しつつ、いつものように軽くから走り始めた。
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、・・・」
走り始めてから一時間と少し。走っている間は気持ちがいい。体が温まってくる感覚も、
徐々に目が覚めていく感覚も、そして、音楽を聴きながら過ごせることも。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、・・・」
外の光景は、あまり頭には入ってこない。唯々、今は自分の世界に浸っていられる・・
その感覚が、非常に貴重であるから。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
そして最後にモーテルまでの二〇〇m程度を全力で走る。何も考えられないことが、こんなにも楽しいのは、そんなにないだろうといつも走り終わった後は思う。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、つっ、はぁっ、はぁっ、・・・」
そうして、いつもの日課は終わった。
さて、シャワーでも浴びるとするか・・
ランナーズハイな状況の中、ボーとしながら部屋に戻る。
今日もいいことがあるだろうと漠然と思いながら。
遅くなってすいません。ほかの場面を書いていたので。
書いているものを上げていけば、週に日本ぐらいは出せますけど、
まったく関係の無いものを上げるわけには行きませんからね。
よろしく、お願いします。