序章
どうもはじめまして。
僕個人にとっての最初の作品です。
見苦しいところもあるでしょうけれど、
どうか、温かく見守ってっください。
あと、意見や批判があるのでしたら、ぜひお願いします。
今、それを思い出してみると、それは、信じられない程に、夢なら覚めてほしいと思うほどに熱く、
しかし、その熱さを忘れるほどに身の震えた、一期一会だった。
その夜、僕はちょっとしつこいけど大好きな父と、
お酒を飲むと絡むんで大変だけれど、普段はいろいろ教えてくれる母と
家族三人で、森のカーテンの中を散歩していた。周りは暗く、また、光は無い。
けれど、辺り一面に敷き詰められた雪の絨毯が、月の光を反射していて、足元はキレイに見えていた。
息を吐く度に白くなり、また息を吸う度に喉を傷めるほど冷えていた。
僕たち三人はコートを着て、マフラーで口を覆いながら、その中を歩いていた。
僕は少し眠かったけれど、周りの景色を綺麗だ、という母の姿を見て、我慢して歩いていた。
僕は少し寒かったけれど、これなら寒くないぞ、という父がカイロをくれて、我慢して歩いていた。
僕は楽しかった。少し、面倒ではあったけれど、楽しかった。
でも、その光景は、
バーン バーン バーン
という、三発の花火によって、崩れ落ちたのだ。
僕はその音の方を向こうとしたけど、手を繋いでいた父と母が後ろに飛んだせいで、
できなかった。むしろ、雪の上に倒れてしまった。
手で咄嗟に頭を庇おうとしたけれど、あまりに突然だったので、無理だった。
頭から地面に倒れこんだ僕は、雪があったとはいえ、一瞬だけ何が何だか分からなくなった。
その一瞬の後、周りを見ようとして、ふと自分のお腹がとても熱いことに気が付いた。
気になって、そこを見てみると、
なんだろう
とても
温かい
赤い液体が
流れている。
あぁ、こんなにきれいな雪の絨毯が、赤く汚れてしまう。
その時には、そんな事しか考えられなかったのだ。
父と母も、頭から雪の絨毯を汚している。
綺麗好きな母が、父と自分が汚していても何も言わない事に、疑問を覚えていた。
後はそれぐらいだけしか考えていなかっただろう。
しばらくすると、忘れていた眠気を頭が思い出したのか、眠くなってきた。
仰向けになって、空を見上げる。寝やすいように体を動かす。
姿勢が悪いと父が注意してくるから、自然とそうするようになっていたのだ。
いやに重い体を動かし終わったあと、目に入ってきたのは、
一点の曇りのない空に、今にも墜ちてきそうな満月だけ。
それを見て幸せに思いながら、目を閉じていく。きっとよく眠れるだろうと思いながら。
「・・・・・・か」
声が聞こえる。
「お・・・だ・じょ・・か」
声が聞こえる。
「おい、だいじょうぶか?」
都合三度。その時に、声は自分に向けられたものだと気付いた。
目を開ける。空にあるのは月だ。それは、変わらないはずだ。
なのに、どうして、人の顔があるのだろう?
「おい、大丈夫か?」
ぼやけていた頭が動く。それは、目の前の人を認識するためにか。
はたまた、自分の眠りを妨げる物の正体を探るためか。
「お、生きてる。なら、助けなくちゃな。」
あちらが顔を近づけてきたため、やっと顔を見れた。
それは、自然の美しさをそのまま形にしたような‘美’の体現。
そうでなければ、
「・・・天使?」
そう、つぶやくほどに、衝撃的な美しさだったのだ。
そこで、意識は途切れた。まるで、紙がそれを見ることを許さないように。
深く、深く、深く意識は落ちた。
それが始まり。僕たちの話の始まりだった。
どうだったでしょうか。
物語の始まりです。
いやー、難しいですね。