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第6話

さて、今の状況を改めて説明しよう。

「ということで出番だアイリーン、見せてやれお前の知識の私怨と深淵を。」

「は?突然何よ。」

「つまり途中から会話に参加した人たちのために、分かりやすく説明をしてもらおうのコーナー!」

「私よりも適任な人がいるでしょ。あと途中から参加した人とかいないわよ。」

うーん相変わらず的確なツッコミと会話のトリートメント能力。逸材だなアイリーン。


「それにしても貴方本当に5歳?40歳くらいサバ読んでるんじゃない?」

「バレてしまったか。実は異世界から転生してきて前世と前前世と前前前世を合わせると9歳なんだ。」

「4世代合わせて私と同じって本当だったら逆に凄いわよ。」


さて、一瞬で冷静になった俺。

今この部屋の中には、俺。エス。アイリーン。SSSS少年兼第二王子のラルク。最初にSSSS判定を出していた小柄な少女兼氷竜皇のヴァーリシーンことヴァル。辛うじて残ったプラズマでSSSSを出していたつぶらな瞳の少年風少女兼火竜皇のシャルファルファンクことシャル。それから学園の関係者数名がいる。ガイルはいない。


なお関係者の中には学園長学園長とした風貌のまさにThe学園長といった印象の学園長もいる。どんな風貌かは各自イメージしたうえでレポートにまとめてアイリーンに提出するように「遠慮します」えー、遠慮しなくてもいいのにな。


「兄さま、実りのある会話を続けるのもよいですが、まずは話を聞きましょう。」

「了解。」


ということで、恐らく先生と思われる人、話をどうぞ。


「えー、じゃあ今回の魔力測定の結果、ここにいる6名がSSSS判定となった。1年で6名というのは、少なくとも私は聞いたことがない。学園としても非常に喜ばしいことです。」

という話を切り出したのが…「カストール先生です。特に障壁や結界の魔導や魔導陣に詳しい方ですよ。」カストール先生だ。得意分野は以下略。


「もちろん人数が多いということもありますが、各自のイレギュラーさが際立っていて困惑している、というのが正直なところです。まずは話し合いと思い、この場を設定しました。」

という話を切り出したのが、丁寧な口調が好印象なThe学園長先生こと…「学園長のトース氏です。王国に仕える7人の大魔導士の一人です。それなりに偉いですが、兄さまなら問題ありません。」トース学園長だ。得意分野は…「非常に多彩な魔術を操るので虹魔導師という異名もあります。」だそうだ。いつもありがとうエス。この恩は忘れないぜ。イリスに…俺に誓っ【頼ってくれても良いのですよ】俺に誓って。


「それでですが、まず、何故ラルク王子がここに?」

「あまり詳しくは話せないが、隣国に関係がある、とだけ言っておこう。それと私が王子であることは話して良かったのか?」

「ここにいる者たちは、口には出していませんが全員分かっています。」

「なんと、一応隠蔽にはかなり気を使ったのだが…。」

「いえ、隠された情報に至る能力が各々高すぎた、ということです。」

「それほどか。」

「ええ。」


なんか良く分からん会話をしているが、アイリーン出番だ、要約を頼む。あ、女神AIに頼めば良かったかな?競わせてみたら面白いかも。人類の英知アイリーンと女神AI-CHATイリスGSX-KATANAの一本勝負ファイっ!と思ったらエスが服の袖を引っ張ってきた。なんだ?食事の誘いならまた今度にしてくれ。何せ毎日3食同じ釜の飯を食う仲だから誘う必要すらないからな。ん、違うのか?


「兄さま。そちらのお二方、お知り合いですか?」

と上目遣いで訪ねてくるエスは相変わらず傾国の美貌だなマジ4歳とは思えんと俺の中で傾国警告が鳴り響くがまあいいか止めよう止まらないスヌーズにしておこう1秒後…と。


「では紹介しよう。さっき何となく爆発させた山に住んでいた二匹の竜だ。いきなり殴ったら反撃しに来やがった。なんて奴らだ許さん!」

「許さんはこっちのセリフじゃ馬鹿者!」

おおっと。これはまさかの反撃。しかし初対面の相手に馬鹿者呼ばわりとは、どういう了見「だ!」と最後だけ言葉に出してみた。


「兄さま、まずは話をしましょう。」

「了解。」


さて、一瞬で冷静になった俺。

「さっきは突然山を爆発させて噴火させてしまって悪かったな。」

「あんた何やってんのよ。」

「スケールの大きな出来事と俺の未知の実力にあっさり慣れるアイリーンは流石の逸材。でもすぐに止めただろ?」

「すぐに止めただろ?ではないわ。」


ちなみにこんな感じで俺に食って掛かってきたのはヴァル。件の山で封印されていた無竜キラスが、火山の爆発噴火で復活したのを咎めにきたのだろう。というかキラスは俺の魔力にビビッて尻尾を股に挟んだまま近くの湖に沈んでいかなかったか?超絶ビビりなキラスは正にチキン、チキンキラス、なんかチキンライスみたいで旨そうだな今度会ったら尻尾の先でも齧ってみよう。


「キラス…あの、キラスですか?」

「うむ。キラスの復活は邪竜戦争の再来となってもおかしくない出来事。我らが全力で封印していたものを、まとめて吹き飛ばしよったのだ、こやつは。」


皆の目線が一斉に俺に向く。どうやら尊敬の眼差しで見られている…のはエスくらいか。あとは模範的なジト目だが俺は騙されない。それはジト目ではなく…いや、ジト目だな。ところでジト目って分解すると「シ」「”」「ト」「目」だから並び替えるとド泪だな。つまり俺の偉大さに皆感激の涙を流しているということだろうそうだろうありがとうオリゴ糖。


「まあ、それほどでも。」

「どこをどうやったら感謝感激と勘違いするのか聞かせてほしいわね。」

「兄さま、封印はどうなったのですか?」

「噴火させるときに邪魔だったから吹き飛ばした。キラスは俺にビビッて逃げた。ヴァルとシャルは…なんでここにいるんだ?」「儂らの名前をどこで知ったのじゃお前は。」「さっき見た。な?シャル。」「馴れ馴れしい…誰ですか貴方は。」「俺か?空前絶後の実力と大海原のごとき広い心の…」


「ところでその、念のためお聞きしますが、お二方は…。」

「もう分かっておろうが、キラスの封印を守っていた竜じゃよ。」

「ヴァル姉と二人で長い間頑張って封印を守っていたら、突然封印が山ごと吹き飛んだ。」

「んなもんでソイツに文句を言いに行こうぜ!ついでにどうせキラスはしばらくビビッて出てこないだろうから、折角だから久々の自由を満喫しようぜ!とか何とか言って戯れに学園の下見に紛れ込んだんだろ?この万年ニート姉妹め。世の中の厳しさを教えてやるからロト7で1等と2等が同時に当たるまで買い続けろ。」


元凶のお主が何を偉そうに!儂らもまとめて吹き飛ばされるところじゃったのじゃぞ!!この方女性なんですか?へーどう見ても男の子…愛称呼びを許したのはヴァル姉だけなんだからな!あと僕は女だぞ!儂ゃ女じゃーっていう人初めて見たな!兄さまこの後の展開ってキラスさんもこの学園に来るってことですか?


「キラスの封印が真だったとは、流石に驚愕しています。」

「俺の正体とかは、最早どうでもいい気がしてきたな…。」

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