第5話
「おいおい、今年は凄いな!これでもう2人目のSSSSだぞ!」
「期待が膨らむぜ!」
「お前は別のところが膨らんでんじゃないのか!」
「馬鹿言うなよははははっ!」
「今年はあと3,4人はSSSSがいる気がするな!」
「全くだ!」
などと供述しており。相変わらずモブ説明は捗るな!あと別なところってどこだ。瞳孔か。
「ところで疑問質問葵の御紋ですエス先生。SSSSクラスは数人でも成り立つんでしょうか?」
「SやSSは40人程度に小分けされてS-1、S-2となります。SSSSやSSSも仕組みは同じです。そして下限は無いので、SSSS1名でも成立します。」
ふーむ流石はこの夏話題のエス先生。何でも答えてくれる最強鬼畜妹だな!って鬼畜は言い過ぎました本当にすいませんした。
ところで当のSSSS少年は学園の関係者に連れられて別室に行くようだ。まあ色々特別な説明があるのだろう。ということはエスも間違いなく別室行きに3,000点。すると俺がSSSS以外だとエスと今生の別れになってしまう可能性も僅かに残っている可能性があるなド根性だこの俺。
そんな気合を入れ直している俺の前で、エスは想定通りSSSS判定だった。
連れていかれるエス。さようならエス。また逢う暇で。
そんな様子を緊張しながら弛緩して眺めつつ、良く分からん測定機械である「プラズマ」の中に手を突っ込んで良く分からん感触に恐れおのののく俺。
そして、止まるプラズマ。
「ん?」
この反応はこれでいいんですか、プラズマの横に立っている先生っぽい人。いや、どうやら違うみたいだな。「あれれ~おかしいな~」みたいなことを言いながらナナメ45度の角度で降らせた流星群を機械にぶつけている。ショック療法と言っていいのだろうか。無事かプラズマ。
「ねえ、どうしたの?」
「どうやら機械の調子が悪いらしいぞ、美しいお嬢さん。」
「ありがと。でも普通に『アイリーン』と呼んでくれていいわよ、えっと…」
「レインだ。レイン・フォレスト。これからこの学園に訓練…燻製…前輪…」
「君臨?」
「そうだ。これから君臨する男だ!なおその確率は概ね1600万分の1くらいだ。」
「教師含めた全員よりも確率が低いってどういうことよ。まあいいわ。で、機械の調子が悪いって、あなた何かしたの?」
と、後ろに並んでいた闇狩少女アイリーンから声がかかった俺は真摯な紳士で対応する。とはいえ原因と言われても全く心当たりが…あったな。イリスがこんな所でもしでかしやがっ【違いm】はい違いますよねさーせんした。
「いや、正直なところ流星群以外全く心当たりがない。ところで此処であったが417年目、お互いの情報を交換して親交を深めようか。」
「別に深めなくてもいいけど、情報の交換自体は悪くないわね。」
ということで、名前はアイリーンで9歳、彼奴は俺も同じくらいと思っていたようだが残念5歳ちゃんでしたー、と年齢を暴露したら本気で驚いていた。俺も驚いた。俺はまだ5歳だったのか。でもって妹のエスはまだ4歳だがSSSS認定で連れていかれたぞ流石超絶美少女鬼畜妹おじゃ魔女、と言ったら何故か全く驚かれなかった。「あの子はこの国では相当に有名だからね」え、そうなん?
「なんで貴方が知らないのよ。」
「いや実は知っていた。」
そう、知っていたのだ。知っていて目をそらした我儘は俺の罪。それを許さないアイリーンも罪…「まあいいわ」許された。
それと闇狩りアイリーンの職業的なスキル的な情報は秘密厳守と言われた。そうなの?超絶カッコいいので全世界に『闇に蠢き闇に狩る、病み上がり狩り師アイリーンです!宝くじで120億当たったのは秘密です!』とかアナウンスすれば、120億に一斉に群がってきて騒がしくも楽しい人生の始まりだ!
「どこまで本気か分からないけど、他言は無用だからお願いね。」
「了解です9歳とは思えないナイスバディと冷静な思考と全知に等しい知識と全治に等しい体躯のアイリーン先生!」
「はいはい、よろしく。あ、測定が再開されるみたいよ。」
「おお、ではSSSSマンになるべく再測定だ!」
ということで再びプラズマに手を突っ込む俺。
すると、激しい明滅とともに、プラズマが大爆発を起こした。
が、爆発の衝撃を一瞬で無色透明無味無臭な衝撃吸収防御結界壁バリアフィールド全壊で閉じ込めた俺。プラズマが大爆発って字面が凄いが、まあ俺にとっては朝メシ前起床前就寝前晩酌前夜メシ前おやつ前昼メシ前よ。ん?それって朝メシ後か?5歳児の晩酌は可?
「ちょっと、大丈夫?」と声をかけてきたアイリーン。ニヤリと口角を上げる俺。合格点をください。
「大丈夫、まったく問題ない。そろそろ漢字の「全」の違和感メーターが振り切れそうなのでひらがなにしました。それはそうと本当に大丈夫なんですか先生的な人?」
と、プラズマの大爆発に呆然としていた先生然の人に声をかけると、瘴気を取り戻したように、あ間違えた瘴気に取り込まれた、じゃなくて正気を取り戻したように「え、ええ…」と呆然自失だった。正気取り戻せたのかどうか微妙だな。それにしてもこれでは測定が出来ずにエスの後を追えないと悟った俺は、右隣の列に居た別の先生然とした人に「そちらの列に混ぜてもらってもいいですよね、そうですよね。分かりましたありがとうございます。」といって限定ランチの列に横入りするかのようにアイリーンと一緒に列に紛れ込んだ。
そして結果だけ言おう。アイリーンは文句なしのSSSSだった。
凄いぞアイリーン。強いぞアイリーン。宇宙怪獣なんでもこいだ。
なお20台あったプラズマを18台壊した俺は、審判団の喧々諤々の審議によりSSSSとなった。