第22話
ガチャガチャ、と鎖が鳴る。
両腕と両脚、全部で4本。
壁と私を繋いでいる。
鎖を壊そうと幾つか手段を試してみるが、全く効果が無い。それどころか、魔導が発動する気配すら無い。
「吸い込まれるように消える…特殊な鎖なのでしょうけど、原理が分からないですね。」
壊すことも、逃げ出すことも無理そうです。
そして、三方が壁、一方が鉄格子。
有り体に言えば、私は捕まったのですね。
勿論自分の身の安全は確保したいところですが、そんなことより。
「兄さまに心配をかけてしまうのが悲しいです…。」
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「わははは。先ずは足取りを掴むのが鮮血、もとい先決だと専決したこの俺。」
エスが消えた瞬間を、誰も認識していなかった。
だが、完璧に痕跡を消すのは、無理だ。俺以外なら。
「ということは俺が犯人なのか?混乱してきたな!」
「いいからさっさと探そうよ。」
「シャル、実際にはこ奴は全力で探しておる。心配が人を饒舌にしとるんじゃよ。」
「焦るなという方が無理よね。」
そうなのだ。俺は焦っている。
聞いているかイリス。俺は焦っているぞ。アセッテマネジメント。それは何か失敗しそうだな、色々。
【聞いていますが、そんなことより我々すら認識できないということは…】
ん?イリスも分からない?
一応神々の一部なんだろAIではあるものの【違います、いえ、神ではあります。AIではありません】何と愛の無い返事。バツとして名刺交換するときに必ず相手の名刺で指を切って名刺を血だらけにする呪いにかかってしまえ。いや、それは流石に不謹慎だな。じゃあ少々略して、バツとして血だらけに。
【それではバツではなく拷問になってしまいます】
拷問とはまた、流石は神々、戯れで人々を日々是拷問にする究極にして至高のタイガーキャノン。
そういえば攻撃するときのタイガーは、まあいいとして、ガードするときはどうなんだろうか。タイガード?タイガー炊き立て?挽きたて?などと内心の焦りをごまかしつつ、探索。
参式魔導探知陣・平板32層サ-19。
生き物を探す時に最も効率のいい探知陣の一つだ。
ぴぴぴっと音が鳴る。反応は無かった。
再び探るが、反応は無かった。
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攫われてから丸一日。
特に誰が来るわけでもなく、何かされるわけでもない。
逃げられないだけ。
あと、当然だが食事も飲み水も無い。
「あまり人前では使わないようにしていたのですが…。」
物質転送スキル。
大体のものなら消したり出したり…使えなくなっている。
物音一つ無く、誰も来ず、食料も無い。
「もって4日…くらいでしょうか。」
あとは、信じて待つだけ。




