反逆のグレマーズ
グレゴリー本部ではグレマーズが部屋で儀式をしていた。机に魔法陣を描き、中央に禁書を置いた。グレマーズは呪文を唱えると、魔法陣は光り出し、禁書は紫色に光っていた。やがて光に包まれた禁書は形を変え始め、黒く小さく分厚いおもちゃ型の本に変わった。変わった後、グレマーズは唱えるのをやめ、魔法陣も光らなくなった。グレマーズは小さくなった禁書を手に取り、それを胸で抑えると涙を流し始めた。
グレマーズ「やっと、やっと、完成しました・・・誰にも、邪魔はさせません・・・」
グレマーズは黒い禁書を開くとそこから文字が浮かび上がり、グレマーズの頭に入っていった。やがて、禁書は文字と化し、グレマーズの頭に入っていくと同時に消えかけていた。やがて全て消え、グレマーズは喜んでいた。
グレマーズ「やはり・・・やはり・・・そうでしたか・・・私は、全てを知った・・・私は全知全能の力を手に入れた・・・これで私が神になれます・・・」
禁書によりありとあらゆる力を手に入れたグレマーズは全知全能の力を持ち、自身の予知能力を使って神になる準備が整ったようだ。グレマーズは試しにカオス兵を召喚し、自身の力を試そうと実験し始めた。するとカオス兵は全身光り輝き、形を変えた。ユニコーン、ケルベロス、グリフォン、ドラゴンの姿をした怪人に変わった。
グレマーズ「素晴らしい・・・素晴らしいっ!!私にも神の力が使えるようになった!!」
ユニコ・リンクスマン「我はユニコ・リンクスマン。あなたの忠実なる部下です」
ケルベーロ・バクゥド「俺様はケルベーロ・バクゥド。早く殺らせろ!!」
グリファ・スラン「僕はグリフォ・スラン。よろしゅうな〜」
マスター・ドラモン「私はマスター・ドラモン。あなたに仕えましょう」
グレマーズは4人の配下を作る事に成功した。後は彼らを使って、強さを試してみたいところだ。
グレマーズ「ここで暴れては面倒ですね、ここはあの世界で・・・」
「何が面倒だって?」
グレマーズ「!!!!!」
気がつけば、グレマーズの後ろにアートルムがいた。確かに扉は閉じていて、入って来た様子もなかったが、奴はいつの間にかそこにいた。
アートルム「やあ、別に驚く事はないだろ?それにしても、またすごいものを作っちゃったね〜」
グレマーズ「何しに来たのです?」
アートルム「決まってるでしょ?最近、君の動きが怪しかったからついて来ただけだよ。まさか、ここまで準備するとは思わなかったよ」
グレマーズ「それはそれは、お褒めの言葉として受け取っても?」
アートルム「もちろん、あ、君、ロッソ法国で何かを持ち出したようだね」
グレマーズ「何の事です?」
アートルム「あの国には教会関係者が厳重に保管してある何かがあったんだよ。それがないって新聞に載ってたから、つい気になってね」
グレマーズ「・・・」
アートルムは勘の鋭い怪物だ。もう耳に入れてるとは。しかし、嘘をつけば殺されるに決まってる。今がチャンスだと思い、全てをアートルムに語った。アートルムは話を聞くと
「なるほどね〜、君は神になりたんだね」
と興味深々だった。
グレマーズ「もうこんな場所で細々と生きるのは飽きましてね、私はこれから神になり世界の救世主となる存在になるのです」
アートルム「ああ、そう。1つだけ忠告しておくね。私情で神になるのは辞めた方がいいよ」
グレマーズ「何?」
アートルム「君はここを抜けるって事だね?なら、ここで僕と勝負しないか?ルールは簡単、どっちかが倒れたら負け」
アートルムはグレマーズに一騎打ちの宣言をした。確かにいずれ倒す敵である為、自身の力を試すいい機会ではある。しかし念には念を、ここはついさっき作った怪人と戦わせよう。
グレマーズ「マスター・ドラモンを出します」
アートルム「うん?君かい?」
マスター・ドラモン「はっ!!私、マスター・ドラモン、ここに!!」
ケルベーロ・バクトゥ「ケッ!!俺様じゃねぇのかよ」
ケルベーロは残念がっていたが、ドラモンは腰から双剣を取り出し、アートルムに斬りかかった。アートルムも片手で黒い球体を作り、球体から無数の銃撃をした。銃撃は辺り一面を壊すように発射し、ドラモンの行動を封じていた。
アートルム「これが攻略出来なきゃ、まだまだだね」
ドラモン「ご安心を。このくらい、何ともありません。それに、もう、終わりました」
アートルム「へ?・・・」
スパーンッ!!!アートルムの体はいつの間にか、半分に割かれていた。アートルムが攻撃をしているその間に。そのままアートルムは地面に落ち、赤黒色の液体化となってしまった。
グレマーズ「素晴らしいっ!!これで邪魔者は消えました」
グレマーズはアートルムが消えた事を再び確認し、4人の怪人と共に部屋を出た。その後、懐からスイッチを取り出し、部屋に仕込んだ爆弾を発動させた。部屋はドガーンッ!!!と音を上げ、そこから黒い煙が出始めた。グレマーズは黒い緞帳を開いて、どこかへ消えてしまった。
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葉月「う・・・うぅ・・・はっ!!ここは?!」
白鳳「あ、起きました!!!やったーっ!!!」
葉月はマゼンタの病院で治療していた。隣には白鳳が座っていた。他のみんなもベッドで寝ていた。みんな重症ではあるが、命に別状はないらしい。
葉月「私は・・・負けたのか?」
あの時のグレマーズの戦い以降、ずっと気を失っていた為、記憶が一部消えた気がした。そんな状況へ扉が開く音がした。マゼンタ第9部隊隊長の長月だった。彼女は花束を持って来た。
長月「災難だったね。とにかく、死ななくて良かった」
葉月「何だ、聞いてたのか」
長月「うん、白鳳ちゃんから全てね。泣きながら電話して来たから驚いちゃって」
葉月「すまないな、白鳳」
白鳳「いえ、私はただみんなを助けたかったので」
しばらく、3人はたわいも無い話をし続けた。そして、本題に入った。
葉月「グレマーズとか言う奴はかなり強かった。私の動きを全て読まれた」
長月「予知能力を持っているのね。これは厄介ね」
葉月「ここは1つ、共同としないか?奴がまたここを襲ってくるか分からん!!私達で何とか・・・」
長月「とは言っても、今動けるのは私達だけよ。みんなグレゴリーとか言う組織に対応しているわ」
葉月「やはり、難しいか。マゼンタ総出撃すれば、何とかなるかと思ったが・・・」
長月「うーん、あ、私、用事思い出しちゃった」
葉月「あ、おいっ!!」
長月「それじゃあね♪♪お大事に〜」
長月は病室を出て行った。この時の長月の行動に、私は後悔する羽目になったのだった。
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ノワール「たまには小遣い稼ぎも悪くないね」
ジャラゴン「まあ、強盗を殺して、蓄えを盗むだけなんだけどね」
その頃、ノワールは各世界で小遣い稼ぎと言う名目の強盗をしていた。とはいっても、銀行や宝石店を狙っているのではなく、強盗団やマフィア、ヤクザなどといった闇勢力を潰して、蓄えている金銀財宝を盗んでいるのだ。昔はよく資金集めに出向いていたが、最近財宝を蓄えてる強盗団は少なく、白沢達の特訓にも付き合っている為、なかなか行けてなかった。
ノワール「ま、最近不景気ばかりだからね」
ジャラゴン「どこか金持ってそうな奴に出会えたらな〜」
そんなこんなで帰ろうとした時、突如上に穴が開き、そのまま吸い込まれてしまった。吸い込まれた先にはソファがあり、そこにポンッと座った。辺りを見ると、何故かどこかで見た事ある景色が広がっていた。
ノワール「ここは・・・」
「いらっしゃい、強引な手でごめんね」
その時、扉がバタッと開き、そこからカートを押しているマゼンタ第9部隊隊長、長月の姿がいた。長月はカートから3人分のティーカップを置くと、ポットからお茶を注ぎ始めた。
ジャラゴン「あれ、僕の分?」
長月「だってあなた、初めて会った時、ずっとお菓子食べてたじゃない?だから食べる事が出来るのかなってね」
ジャラゴン「ありがとうございますっ!!改めて自己紹介を、僕の名はジャラゴン!!お見知り置きを」
長月「じゃあ、ジャラちゃん!!お茶飲む?ルイボスティーだけど、お口に合うかしら」
ノワール「ほう、これがルイボスティー。なかなか美味しいぞ」
ジャラゴン「たまには紅茶も悪くないね。特にこれは格段に上手い!!」
長月「本当っ!!良かった」
長月は喜んでいる。全て彼女が準備したのだろう。それはそうと、本題に入った。
ノワール「何故我の居場所が分かった?」
長月「結構苦労したわ。うちには凄腕のエンジニアがいて、彼の作った装置は特定の魔力を感知して人を探す機能があるわ」
ジャラゴン「随分強引だね〜」
長月「あと、これを見て欲しいわ」
長月はスマホを取り出し、ある動画を見せた。
『私はグレマーズ、新世界の創造神になる者だ。私に従うか、死ぬか、選ぶのです』
金持ってそうな敵、来たぁぁぁぁぁぁーっ!!!!グレマーズ?そう言えば、あの時戦ったカオスか。何か今度は創造神になるって言っている。
長月「実は数日前、マゼンタ第8部隊がグレマーズと戦ったわ。その時は圧倒的な力に誰も敵わなかったらしいわ」
ノワール「だろうな、こいつとは我が1度戦ったがある。予知能力を繰り出す敵だ」
長月「知っているのね。彼は再びこの世界を壊して滅ぼそうとしている。この動画を見る限り・・・」
ノワール「当ててみせよう、この世界、いや全世界を滅ぼし、新たな世界を作って自分が神になる寸法だろ?」
長月「よく分かって嬉しいわ。彼は実験としてこの世界を壊す気だわ。当然私達が出動する羽目になるけど、8と9以外は他の場所であなたが言うカオスと呼ばれる敵と交戦中で」
ノワール「2つだけでは心細いから我を呼んだと?」
長月「話が早くて済むわ!!」
ジャラゴン「うへー、神になりたいなんて随分命知らずだな〜」
ノワール「ついに領域を超えるつもりだな。もし本当にそうなったら、後が厄介だな」
長月「ええ、そこで私はあなたにある契約をしてほしいの」
ノワール&ジャラゴン「????」
長月「彼がここを攻めている間、私達に協力して欲しい」
ノワール&ジャラゴン「!!!!」
それはノワールでさえ、予想出来なかった事だった。本来なら敵対関係である僕達に共同を持ちかけて来たのだ。一体どういう意図があるのかは分からない。ただ、同じ敵を倒すという事は一致してる。まあ、前にも共同はしたけど。
ジャラゴン「そんな提案に首を縦に振るとでも?」
長月「ただ時間がないのよ。私達が消えたら、あなた達の世界だって消えるのよ」
ジャラゴン「それはそうだけど・・・」
ノワール「待て、その話、乗った」
ジャラゴン「ええっ!?」
長月「本当っ!?」
ノワールは共同作戦を承諾してしまった。
ノワール「但し、条件がある。お前達は僕達の命令に従う、お前達は他の隊員にこの事は他言無用、これが終わったらいつもの関係に戻す」
長月「いいよ、また何かあったら連絡するわ」
長月はブラックホールを出して、僕達は吸い上げられた。そして着いた場所はさっき強盗をした場所だった。
ジャラゴン「ノワールッ!?あれはまずいんじゃないっ!?あいつらはこちらの情報を欲しがってるんだ!!逆にこっちが利用され・・・」
ノワール「世界が滅んだら、僕はアニメやゲームをする事が出来ない。それに利用されるだって?違うよ、逆に利用されるのを利用するんだよ」
ジャラゴン「どゆこと?」
ノワール「呉越同舟、なかなか面白いじゃないか」
ノワールはそう言い残すと、ジャラゴンを連れて帰って行った。




