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ノワール・モンスター  作者: アキラ明晃


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グレマーズVSマゼンタ

 一方で、マゼンタの世界では第8部隊はいつものように鍛錬していた。


葉月「はっ!!はっ!!!」


葉月は竹刀で素振りをしていた。隊長たる者、上に立つ者として部下に弱い姿を見せないその姿勢は、各マゼンタ隊員の憧れの的であった。


神奈月「今日も張り切ってるわねっ!!」


ドナ「私達も負けてられないわね」


カレント「とはいえ、あのノワールをどうやって倒せばいいのかしら?」


白鳳「大丈夫です!!私達が力を合わせれば、ノワールにだって勝てますよっ!!」


カレント「白鳳ちゃん、そうね!!私も頑張るわっ!!」


第8部隊では模擬戦をしたり、ランニング、筋トレ、瞑想など暇な時間がないくらい鍛錬だらけだった。仮にそんな時間を作ろうとしても、任務があればそこへ出向という程、時間がない。今日も普段通り鍛錬をしている時、本部から任務が来た。内容によれば黒ずくめの男が軍やモンスターを率いているという内容だ。葉月達は鍛錬をやめて、制服に着替えて急いで現場へ急行した。車に乗り、しばらくすると確かにモンスターとカオス兵がこっちに向かって歩いて来ている。葉月は車を止め、モンスターやカオス兵の方へ駆け寄った。しかし、相手は抵抗するどころか何事もなく前へ進んでいた。武器も取り出さず、ただひたすら歩く。まるで操り人形みたいな状態だった。


葉月(どういう事だ?何も感じないだと?)


カレント「隊長っ!!向こう側から怪しげな魔力を感知しました!!」


葉月「何っ!?てことは、こいつら操られているのかっ!!」


ようやく状況を理解したようだ。何者かが術をかけて操っている。それを魔力を感じやすいエルフのカレントが見つけた。これは何か裏があるに違いない。


葉月「カレントと私はその怪しい魔力の方へ向かう。お前達はこっちを頼むぞっ!!」


神奈月・ドナ・白鳳「はいっ!!」


神奈月達は車から降りて、葉月はカレントと一緒に魔力が出てる場所へ向かった。辿り着くと、そこには黒ずくめの男が手を動かしていた。


葉月「貴様、こんな所で何をしてる?」


男「これはこれは、流石マゼンタの隊員。気づくのが早いですね」


カレント「あなたは誰っ!?一体何をしてるのっ!?」


男「ちょっとした実験です。何、終わればすぐ立ち去りますので」


葉月「その実験とやらの内容によっては貴様を処罰するぞ」


男「ご心配なく、あなた方の手を煩わせる実験ではありません」


男は手を止めた。するとカオス兵とモンスターは動くのをやめた。一体何をする気か、その答えはすぐに分かった。


男「私は神になる実験をしようとしているだけです」


カレント「神ですって!?何故あなたが神になりたがるのですかっ!?」


男「この世界をリセットさせ、新たに作り変えるからです」


カレント「何ですって!!」


男「この世界、いや全世界は今崩壊しようとしています。私はその世界に絶望しました。何故世界は崩壊しかけているのか、それは統率者が多数いるからです」


葉月「どういう事だ?」


男「私は全世界が愛しくて仕方がない、だから私の手で幸せを与えるのです」


カレント「幸せって何ですかっ!?」


男「私が定めた法に従い、私の命令によって生きる事です」


その言葉に葉月とカレントは全身震え上がった。この男は尋常ではない、何かしようと企んでいる事に。その後、遅れて神奈月達も現れた。どうやら急に止まった事を不思議に思い、葉月の所へ来たのだ。


神奈月「隊長、あれはっ!?」


葉月「分からん、貴様は何を企んでいるっ!?」


男「私はただ、私を神として崇め仕え、私の命令で生きろという事を言っているだけです」


ドナ「何ですって!?」


神奈月「服従しろって事っ!?」


カレント「それの何が幸せだと言うのですかっ!?幸せとは自分自身の意思で生きる事です!!あなたの指示に従うなど幸せではありません!!」


男「そもそもあなた方とは議論にならない事は承知です。完全な私とそうでないあなた方で何を話しても無駄です。私は何が正しくて、何が正しくないか見極める目を持っています。更にどうすれば実行出来るのか知恵もあります。つまり、全世界を支配するのに、私以上の者はいないと言う事です」


葉月「勝手な事を言うなっ!!!」


カレント「そんな屁理屈がまかり通るとでもっ!?」


男「愚かな者よ、しかし私は慈悲深い。私は全てを許そう」


葉月が刀を抜こうとすると、男は手から雷攻撃をしてきた。それはほんの一瞬の出来事で、武器を抜く時間もガードする時間もなくモロに喰らってしまった。


白鳳「キャアァァァーッ!!」


神奈月「白鳳ちゃんっ!!!」


カレント「あなたっ!!なんて人ですかっ!!!」


男「私は全世界に永遠の楽園、エデンを作るのです。その為にはこの世界を含む全世界を破壊しなければなりません。あなた方も1度死ぬ事になりますが、心配いりません。新しい世界で永遠の命を与えてあげましょう」


葉月「秘技南風月(はえつき)!!!」


男「愚かな人類よ、私から直々に慈悲を与えましょう、"ありのままで(カムアズユアー)"」


男はポケットから携帯電話を取り出した。そして画面には『右45°攻撃、左に50°ずれろ』と表示されていた。実際に右から葉月の攻撃が来るのは事実だった。男は携帯に表示された通りに動くと、葉月の攻撃を難なくかわした。


葉月「何っ!?」


男「"デスブレイクロスト"」


男は葉月に向かって、手のひらから真紅色のビームを放った。葉月は避ける時間もなく、ビームを喰らってしまった。その威力は凄まじく、近くにあった山の一部を一撃で粉砕した。肝心の葉月は体がボロボロになり、立っていられるのもやっとだった。


神奈月「隊長ーっ!!!!」


葉月「はぁ、はぁ、な、なんて強さだ・・・」


男「ああ、申し遅れました。私は神になる者、グレマーズと申します」


白鳳「グレマーズ?」


ドナ「あんたなんか知らないわよっ!!神になりたきゃ、なればいいじゃないっ!!金剛機構(メタルマテリアル)!!!」


今度はドナが殴りかかろうとした。しかし、グレマーズは再び携帯を見て、すぐにかわした。


ドナ「な、嘘っ!?」


グレマーズ「遅いですね、"ロストワールド"!!!」


今度は打撃の乱舞を繰り返し、敵を空高く舞い上げ、四肢を固定して地面にそのまま叩きつけた。いくら体を硬くしたドナもこの技でダメージを負った。


ドナ「ぐはっ!?」


白鳳「ドナさんっ!!!」


グレマーズ「次は誰ですか?私に挑んでくる者はいないのですか?」


神奈月「く・・・」


神奈月の能力ならあのビームは消せても、さっきの物理技には無効になる。相手がどんな技も使ってくるか分からないので、迂闊に手が出せない状況である。


カレント(あの男、強い・・・何故そんな力を?)


グレマーズ「いないのですね?ではこちらから、ロストワールド!!!」


今度はカレントを連続打撃して、空高く蹴り、地面に叩きつけた。


葉月「カレントッ!!!」


グレマーズ「では最後にしましょう、"滅亡の1999(デリートナインズ)"」


グレマーズは手から紫色の球体を出して、それを空高く上げた。すると晴天だった空は曇りと化した。そして、雲から紫色の何かが見えた。


神奈月「た、隊長・・・」


葉月「神奈月っ!!白鳳達を連れて逃げろーっ!!!」


葉月は空を見て、すぐに理解した。これは危ない何かが起こる事に。神奈月はそんな葉月の指示に従い、ダウン状態のドナ、カレント、葉月を連れて逃げ出そうとした。しかし時すでに遅し、そらから紫色の流星群が落ちてきた。それは数百ぐらいあるようで、神奈月達は急いで安全な場所へ逃げ隠れようとしていた。


グレマーズ「もう遅いです!!あなた方は神である私に刃向かった罰を受けるのです!!!」


流星群は徐々に近づき、やがてここ一帯に降り注いだ。ドガーンッ!!!ドガーンッ!!!ドガーンッ!!!流星群は地面を破壊し、山を粉砕し、葉月達を巻き込んだ。葉月達は逃げる間もなく、流星群の総攻撃を受けてしまい、やがて数十分した後、辺りにはクレーターだらけで悲惨な状況になっていた。葉月達は全身ボロボロになってしまったが、最年少の白鳳だけはみんなが盾になって守ってくれたので無傷で済んだ。しかし、状況は喜べるものではない。


白鳳「隊長っ!!神奈月さん!!ドナさん!!カレントさん!!!」


白鳳がみんなを心配している時、グレマーズが近づいてきた。白鳳は体が震えてしまい、言葉も出づらくなり、子供ながらも死を覚悟していた。


白鳳「あ、あ・・・」


グレマーズは手を伸ばし始めた。しかし、グレマーズは何もしないどころか、手を叩き始めた。


グレマーズ「素晴らしいっ!!これだけの流星群を喰らっても生きている者がいるとは!!なるほど、皆が皆を守りながら庇ったと言う事ですね」


白鳳「あ、あの・・・う、うぅ・・・」


グレマーズ「私は言ったでしょ?実験だと。あなた方を殺めに来た訳ではありません。それに私は生き証人として1人だけ必ず生かすのですよ。それにあなたは運がとてもお強い。あなたは私の作る世界に招待したいと思います。それでは」


グレマーズは黒い緞帳(ブラックカーテン)を出して、中に入って消えた。この場に残された白鳳は涙が枯れる程、泣き続けた。この地獄と化したこの荒野で。グレマーズが操っていたあのモンスターとカオス兵は自身の技の威力を試す実験用モルモットだったのだ。しかし、ここへマゼンタが現れた事でこっちに移り変わったようだ。白鳳は願った、いつかこの世界を救ってくれる英雄が現れる事を。そして、その時はすぐに起ころうとしていた。

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